時々父がはずれた宝くじをくれる。

 

つい先日も母に内緒でこっそり買った30枚のハズレくじをくれた。10枚中1枚は300円が当たっているので、換金すれば900円になるので、あながち「ハズレ」なわけではないが、父の夢のかけらを見ながら考えた。

 

よく「無人島に行くとしたら何を持っていくか」とか「タイムマシンがあったらいつに行くか」などという仮定の話と共に「宝くじで3億円が当たったらどうするか」というお題が与えられることがある。皆さんならどうするだろうか。

 

以前テレビで「宝くじ高額当選者のほとんどが不幸になる」というのをやっていた。突然見たこともない大金を手にするのだから、普通の人生ではなくなってしまうというのはうなずける。自分自身常軌を逸してしまったり、周囲に良からぬ人たちがたかってくることもその一因だ。お金はあっても、なくても、災いの元になるのだ。一方、当選金を慈善のために使ったりして、もとと変わらぬ生活を続けている人は幸せにやっているようだ。私はもし3億円当たったら、1000万円ほど貯金して残りは環境対策事業か、地元温泉街の活性化にでも寄付したいと思っている。

 

当選時の心構えはこのようにばっちり出来ているが、宝くじを自分で買ったことはないし、父も高額当選すれば私にはくれないと思うので、我が地元温泉街に匿名の多額寄付が寄せられる日び訪れはまだ遠いだろう。