東京はそろそろ満開らしいが、我が町の桜はまだまだ1~2分咲きといったところだろうか。でも、咲かない桜の木を見ていたら木全体がぼんやりと薄い桜色に見えてくるから不思議だ。

 

ふと昔高校の春休みの国語の課外授業で読んだ文章のことを思い出した。

 

桜色の染め物をする時には桜の花びらを使うのではなく、咲き始める前の桜の幹(枝?)を煮て抽出した汁を使う。そうすると何とも言えない淡いピンクに染め上がる。桜が咲くためには木全体が桜色に染まろうという準備をしているのだというような内容だった。

 

とても印象的な話で、JKだった私はいたく感じ入り、その辺で入手した咲く前の桃の枝を煮て、実験してみたものだ。桃の枝でも相当きれいな桃色にハンカチが染まったことを覚えている。

 

週末の各種イベントも桜の季節を見込んだものだったのに時期をはずしてしまい、がっかりした人もいるだろう。皆「いまか、いまか」と桜を待っているが、ぼんやり桜色の桜の木を見ていたら、もうそこに花が咲いているように見えた気がした。