小原流のお花をカルチャースクールで習い始めた時、当時の先生が2千数百円のお花鋏を用意してくれはって
1級に上がるまでの長い間、時々研ぎ直しをしてもらいながらずっとその鋏を使い続けてました。
昔ながらの鉄製のちょっと重い和鋏です。
途中支部からの賞でお花鋏をもらったりもして、家には予備の鋏が2~3個ある状態になったけど
どれもイマイチ手にしっくりこず、やっぱり最初のをずーっと使ってました
(使わない鋏はその後メルカリで売っ払っちゃった)
私ね、お花鋏は昔ながらの鉄の和鋏が好きなんです
切った時に持ち手の足元同士が当たって出るシャキーン!ってあの音
お花生けることに全神経集中させて、静寂の中に響くあの音
ほんとたまらんです
1級に昇級した時、あ~それは11年も前のことなんですけどね
趣味の範囲ではあるけれどこれからもお花頑張ろう、自分自身へのそんなエールを込めて、やっと次の新しい鋏を買いました。
それがめーーっちゃ高いやつ(笑)
大阪の堺市に「佐助」さんという鋏鍛冶屋さんがあって、創業は何と慶応3年!
その佐助さんの鋏です。
買った当時もおおーって位高かったけど、私が購入後に大幅値上げもしはったんでさらにとんでもなく高くなってしまい
私がいくらの鋏を使ってるのか
それはほんと口が裂けても絶対言えないな(笑)
だってほら、下手くそなくせしてそんな高い鋏持ってどうすんねん、て話ですやん?
分不相応な金額の鋏をえい!と買ったのは、さっきも書いたこの鋏でこれからもお花頑張ろうという決意表明と
それから、こういう鍛冶屋さんという様な伝統工芸を守ってる方達へのリスペクトや応援の気持ちもあってのことです。
実は最初お稽古にもフツーに持って行ってたんだけど
うちの大先生はお手直しの時その作品を生けた生徒の鋏を使いはるんで
ばにらの佐助鋏でワイヤー切るなんてこともたまにあり
横にいてそれを見ると
大先生!ばにらの佐助鋏でワイヤー切るやなんて、何てことしてくれはるん!
刃こぼれしてしまうやんかー!
(もちろん心の中だけの叫び)
それごときで顔に縦線入るという、どんどんちっちぇ~人間になっていくんで
もうお稽古に持っていくのはやめました
(佐助さんのはお花で使う細いワイヤー切った位じゃ刃こぼれなんぞしないと思うよ)
今は家で生ける時と研究会の時だけ使ってて、お稽古には3000円位のお手頃価格な鋏を使ってます。
これは持ち手が樹脂で軽く、軽い力で太い枝モノもよく切れていいってことで、教室のみんな買わされたんですよ~
教室であれこれ買わされるのは正直鬱陶しいけど、この鋏は本当に太い枝も軽く切れて買ってよかったかな
うちの大先生は何せご高齢なもので、お手直しの時枝モノ切るのに力のいる佐助さんの鋏よりこの鋏の方が断然楽チンなはず
それもあってお稽古には安い鋏の方を持って行ってるんです
佐助さんの鋏を使う様になって早11年。
つまりばにらが1級になってもう11年経ったってことですわ
先日阪神百貨店での催事に佐助さんが出展してはったんで、鋏の研ぎ直しをお願いしに行ってきました。
研ぎ直しをお願いするのはこれが2回目。
ちょうど5年毎にお願いしてる感じになるのかな。
これが研ぎ直しされて返ってきた鋏です。
お花や枝のアクや錆等でかなり赤茶色になってた刃が新品みたいな美人さんになって返ってきましたよ!
この佐助さんの鋏が、研究会でばにらが95のお花を生ける助けをしてくれてるのです
実際、1級になってからの成績わりと良い
反対側にはばにらの雅号が入ってるんです。
今回刃先のカバーをプレゼントで付けてくれはりました。
佐助さんの名前入りで格好いい
私の隠れた相棒のお話でした
さて、近畿も今日梅雨入りしたらしい
西洋朝顔の種蒔きまだしてへんのよ~
焦るわ〰️