天中殺について検索すると、たいてい同じことが書かれています。

いつからいつまでが自分の天中殺か。
その二年間は何を避けるべきか。
結婚も転職も引っ越しも控えなさい、と。

読んでいるうちに、なんだか怖くなってきますよね。

ただ、そこでほとんど語られないことがあります。

同じ天中殺でも、命式によってはすでに解けている場合がある、ということです。

これは占い師それぞれの解釈の違いではありません。
古典が、解ける条件をはっきり書き残しています。

今回はその条件を、実際の命式を並べながら見ていきます。


■ まず、天中殺と空亡は同じものです

天中殺は算命学の言葉です。
四柱推命では空亡(くうぼう)と呼びます。

呼び名と系統が違うだけで、出し方も、指している中身も同じものです。

十干は十個、十二支は十二個。
順に組み合わせていくと、干支は六十で一巡します。

十干のほうが二つ足りないので、どの巡にも必ず支が二つ余ります。
この余った二支が、空亡=天中殺です。

日柱がどの巡に入るかで、六つのどれかに決まります。

甲子〜癸酉 → 戌亥天中殺
甲戌〜癸未 → 申酉天中殺
甲申〜癸巳 → 午未天中殺
甲午〜癸卯 → 辰巳天中殺
甲辰〜癸丑 → 寅卯天中殺
甲寅〜癸亥 → 子丑天中殺

ここまでは、どのサイトにも同じことが書いてあります。
問題はこの先です。


■ 条件その一 ― その席に、何が座っているか

空亡は「その場所が空になる」という意味です。
悪いことが起きる、という意味ではありません。

ですから、空になって困るものが座っていれば損ですが、
空になったほうが助かるものが座っていれば、むしろ得になります。

命式の中には、その人を助ける星と、足を引っぱる星が同居しています。

足を引っぱるほうが空亡の席に座っていれば、その働きは弱まります。
古典はこの形を、はっきり吉の側に置いています。

「天中殺だから悪い」と一括りにできないのは、まずこの一点です。


■ 条件その二 ― その席が、合や冲を受けているか

こちらのほうが決定的です。

空亡には、解ける条件があります。

空亡の支が他の支と合をなせば、解けます。
冲を受けても、解けます。

前者は空いた席が埋まる形。
後者は空いた席が揺さぶられて動き出す形です。

古典はどちらも「発する」、つまり動き出す側に置いています。

自分の命式の中に、すでに合や冲の相手がいる人は、
生まれつき天中殺が解けた状態で持っている、ということになります。


■ 実際に並べてみます

三つとも午未天中殺です。
しかも三つとも、時柱に未を持っています。

それでも状態は、まったく違います。

A:己巳 癸酉 辛卯 乙未

日柱が辛卯なので午未天中殺。時支の未がその席にあたります。
ところが日支の卯と時支の未で、木の半合が成立しています。
→ 合によって、解けている状態です。

B:甲子 丁丑 辛卯 乙未

同じく午未天中殺、同じく時支が未。
こちらは月支の丑と時支の未が冲。さらに日支の卯とも半合になります。
→ 冲と合の両方がかかり、より強く解けています。

C:壬申 戊申 戊子 己未

同じ午未天中殺、同じ時支の未。
しかしこの命式では、未は日支の子と害の関係を持つだけです。
合でも冲でもありません。
→ 生まれつきの状態では、解けていないという判定になります。

同じグループで、同じ位置に、同じ支を持っている。
それでも三者三様です。

「あなたは午未天中殺だからこうです」という一行が、
どれだけ粗い説明か、伝わるでしょうか。


■ 解けていない場合は、どうなるのか

Cのように生まれつき解けていない命式でも、話はそこで終わりません。

命式は動かせませんが、運は毎年めぐってきます。

その年の干支が空亡の支に合や冲をかければ、その年に解けます。

実際にCの命式で、癸丑の年を重ねてみます。

年運の丑が、時支の未を冲します。
同時に丑は、日支の子とも六合を組みます。

この年、Cは生まれて初めて、その席が動く年を迎えます。

古典が空亡の解ける時期を大きな変わり目として扱うのは、このためです。

避ける年ではなく、むしろ動く年として読みます。

「天中殺の二年間はじっとしていなさい」という助言が、
すべての人に当てはまるわけではないのは、こういう理由です。


■ まとめ

天中殺を見るときは、三段階で確認してみてください。

一、自分がどの天中殺グループか
二、その支が命式の中にあるか。あるなら、そこに何が座っているか
三、その支が合や冲を受けているか。受けていれば、すでに解けている

一だけを見て結論を出しているものが、検索結果のほとんどです。

二と三まで見ないと、その人にとって天中殺が何を意味するのかは決まりません。

これは難しい理論ではなく、干支を並べて数えれば確認できることです。

ただ、合・冲・半合・害などをすべて拾うには、命式全体を組む必要があります。

ルナラボでは、生年月日時から命式を組み、
空亡がどの位置にかかっているか、それが解けているかどうか、
解けていない場合はどの年に動くかまでを含めた鑑定書をお出ししています。

ご自身の状態を正確に知りたい方は、そちらでご確認いただけます。

ルナ四柱推命(ルナラボ)
https://jp.lunasajubang.com

次回は、生まれた時間がわからない場合に命式をどこまで読めるのか、
という話を書く予定です。