「大運はいつ変わるのか」で調べると、たいてい同じ答えにたどり着きます。十年ごとに変わります、と。
間違いではありません。ただ、その十年の区切りがどこに置かれているのかまで書かれていることは、あまりありません。
実際のご相談では、こういう言い方をよく伺います。
「来年から大運が変わると言われたのですが、もう去年のあたりから環境がすっかり変わってしまいました」
思い込みでも気のせいでもありません。大運の作られ方を見れば、そうなる理由があります。
今回は、大運がどこから数え始められているのか、そしてなぜ切り替わりが一年ほど前倒しで体感されるのかを書きます。
■ 大運は、生まれた日ではなく節気から数えます
大運は、月柱を起点にして干支を一つずつ進めた(あるいは戻した)ものです。ですから起点は月柱、つまり節気の区切りにあります。
進めるか戻すかは、生まれ年の天干の陰陽と性別で決まります。
陽年生まれの男性、陰年生まれの女性 … 順行(次の節入りに向かって進む)
陰年生まれの男性、陽年生まれの女性 … 逆行(前の節入りに向かって戻る)
そして、最初の大運が始まる年齢、つまり立運数は、こう数えます。
順行なら、生まれた日から「次の節入りまで」の日数。
逆行なら、生まれた日から「前の節入りまで」の日数。
その日数を三で割ります。三日で一年。割り切れなかった一日は四か月、二日は八か月として扱います。
たとえば節入りの二日後に生まれた逆行の方なら、二を三で割って、立運は〇歳八か月。生後一年も経たないうちに、もう最初の大運に入っています。逆に、節入りの直前に生まれた順行の方なら、立運が九歳、十歳ということも起こります。
同じ年に生まれても、立運数は人によってまったく違います。ここが最初の分かれ道です。
■ 切り替わりは、暦の上の誕生日には来ません
立運が七歳三か月の方であれば、大運が変わるのは七歳三か月、十七歳三か月、二十七歳三か月……という並びになります。
つまり、切り替わりの日付は誕生日ではありません。多くの場合、誕生日から数か月ずれたところに落ちます。
「三十歳から新しい大運です」と言われて三十歳の誕生日を待っていたのに、実際の切り替わりは二十九歳の秋だった。こういうことが普通に起こります。
ご自身の切り替わり時期を確かめるときは、年齢ではなく西暦の年月で出してもらってください。年齢だけで覚えていると、一年近くずれます。
■ 一年前から動き始めて見えるのは、なぜか
体感が前倒しになる理由は、二つあります。
一つは、いま申し上げたずれです。誕生日基準で覚えていれば、実際の切り替わりのほうが先に来ます。
もう一つは、こちらのほうが大きいのですが、大運が入れ替わる前後には、去る大運と来る大運の力が重なる時期があるためです。実務では交運期と呼びます。
新しい大運の干支は、切り替わりの当日に突然現れるわけではありません。手前の一年ほどのあいだに、環境のほうが先に動きます。人が変わり、住む場所や職場が変わり、それから本人の判断の仕方が追いついていく。この順番で現れることが多いのです。
ですから、切り替わりの前後一年は、判断そのものが不安定になりやすい時期でもあります。この期間に大きな契約や転居を決めるなら、いつもより一段慎重に。実務上、よく言われるところです。
■ 天干と地支は、五年ずつきれいに割れるわけではありません
大運を「前半五年は天干、後半五年は地支」と分けて読む方法が広く使われています。整理としては分かりやすい見方です。
ただ、実際の命式では、そこまできれいに割れません。
地支は十年ぶんの土台を敷きます。原局の支と合になるのか、冲になるのか、刑になるのか。ここで生活の枠組みそのものが決まります。天干は、その土台の上に色を乗せる働きをします。表に出る役割、周囲から見える立場、扱う事柄の種類。
ですから前半に天干の話が目立ち、後半に地支の話が濃くなる、という傾向はたしかにあります。けれども「五年目までは地支を見なくてよい」という意味ではありません。地支が冲を起こす大運は、初年度から生活が動きます。
■ 大運そのものに、良い悪いはありません
これが一番申し上げたいところです。
「大運が良い」「大運が悪い」という言い方が、一般には広く使われています。ただ、大運の干支は単独では何も決めていません。原局が何を必要としているかによって、同じ干支が助けにも重荷にもなります。
夏の生まれで火が強く、水を必要としている命式にとって、水の大運は十年ぶんの余裕です。同じ水の大運が、冬生まれで水が過ぎている命式には、そのまま停滞として出ます。
干支が同じでも、置かれる命式が違えば意味が変わる。これは相性のときに申し上げたことと、まったく同じ構造です。
ですから「二〇二八年からの大運は良いですか」というご質問には、原局を見ないかぎりお答えのしようがありません。逆に、原局が分かっていれば、その十年で何が増えて何が減るのかは、かなり具体的に申し上げられます。
■ 確かめるときの順番
ご自身で整理される場合は、この順番が早いと思います。
① 生まれ年の天干の陰陽と性別から、順行か逆行かを決める
② 生まれた日から該当する節入りまでの日数を数え、三で割って立運数を出す
③ 立運数を西暦の年月に直し、切り替わりの一覧を作る
④ 各大運の地支が、原局のどの支と合・冲・刑になるかを先に拾う
⑤ そのうえで、天干が原局に足りないものを持ってきているかを見る
④と⑤を飛ばして「この大運は吉」「この大運は凶」とだけ言われた鑑定は、まだ半分です。
以前この場所で、相性は一枚の絵ではなく複数の層でできている、と書きました。運も同じです。大運は十年ぶんの舞台であって、その年に何が起きるかを決めているのは、そこに重なる年運のほうです。
一枚だけ見て決めない。今回も、結論はそこに戻ります。
ルナラボでは、生年月日時から命式を組み、大運の立運数と切り替わりの時期を西暦の年月で一覧にしてお出ししています。各大運の地支が原局のどの支と合・冲・刑を起こすかまで、層ごとに分けて記載します。生まれた時間が不明の場合は三柱で組み、確定した層と保留になる層をそれぞれ明記します。
ルナ四柱推命(ルナラボ)
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