8/15に読み始めた「涙のあとは乾く」キャサリン・ジェーン・フィッシャー著、
読み終わりました。
帯に「ひとりへの不正義を許してはならない、なぜならそれは万人への不正義だから-。」と書かれています。正義を貫くことがとても困難な世の中ですが、心に刻んでおきたい言葉です。
著者がレイプ被害に遭ったのが2002年。当時、日本には性犯罪・性暴力被害者を支援する施設はひとつもなかったそうです。著者の抗議などが実を結び、2007年の国連からの勧告を経て、日本でも支援センターが設置されるようになりました。
前に読んだ「なぜ、それが無罪なのか!?」の巻末には性犯罪・性暴力被害のためのワンストップ支援センターの一覧が掲載されています。
著者は、捜査する側の警察の性犯罪被害者に対する人権意識の欠落を告発したこと、性犯罪・性暴力被害のための支援センター設立に尽力したこと、米軍および日米地位協定の問題に焦点を当てたこと、レイプ犯罪の外国判決がアメリカの裁判で執行される前例を作ったことなど、大きな仕事をいくつも成し遂げられました。そのひとつひとつが、ひとりの人間が人生の中でひとつでも成し遂げることができるかわからないような大きなものだったと思います。
それでも「なぜ、それが無罪なのか!?」にもあるように、道は半ば。加害者ではなく被害者を責める風潮は日本だけのものではないことを知りましたが、そんな諸外国と比べても日本が遅れていることは事実です。少しでも被害が減ること、そして被害に遭ってしまった時にはじゅうぶんなケアがなされる国に変えていきたいですね。
『100冊読書』宣言