5/24に読み始めた「もうひとつのビキニ事件」、読み終わりました。

 

 

ビキニ事件は「1954年3月1日にビキニ環礁で行われた水爆実験で第五福竜丸が被災し、乗組員だった久保山愛吉さんが亡くなった」という事件ではなく、同時期に数十回の核実験が南太平洋地域のビキニ環礁などで行われ、1,000隻にものぼる日本漁船だけでなく、多くの国の船籍の漁船、商船などが被災し、海洋汚染は南太平洋地域から太平洋の広範囲に広がり、また、降雨となって日本を含む各地に放射性物質が降り注いだ、そして多くの被災者が健康被害に苦しめられ早くに亡くなった方も少なくない、という事件でした。

 

 

「ビキニ事件 三浦の記録」でもそうだったのですが、当時の関係者の関心はマグロの価格が暴落してその対策と補償をどうするか、ということにほとんど集中していたように思われます。
船と魚の汚染だけが心配され、漁船員の健康被害はあまり重視されませんでした。その結果、多くの方が数十年に渡り健康被害に苦しめられ補償を受けられないまま亡くなっていくことになりました。
この本が出版され20年が経ちます。ビキニ事件からは70年が過ぎました。もう、当時、南太平洋の船の上にいた人は一人も生き残っていないかもしれません。
記憶を掘り起こすことはもうできなくなりました。しかし、記録は残されています。多くの人が関心を持つことで、この記録が失われることなく後世に伝わっていくことを願わずにはいられません。

 

「もうひとつのビキニ事件 1000隻をこえる被災船を追う」

高知県ビキニ水爆実験被災調査団編

平和文化

 

ということで(?)、もう1冊ビキニ事件関係の本を読む予定です。

 

 
 
 

『100冊読書』宣言