八月納涼歌舞伎を観てきました
どの部も興味があったので、
一部・二部・三部
全部を
通しで観てきました
第一部は
《幽霊貸屋ゆうれいかしや》
これは
作家・山本周五郎さんの
同名作品を原作としています。
母を亡くし、
すっかり仕事をしなくなった
桶屋・弥六が主人公。
妻のお兼は、
自分が居ることで
弥六に怠け心が生じると考え、
実家に戻ってしまいます。
それでも仕事をせず
酒にあけくれる日々の
弥六の前に現れたのは、
美しい幽霊・染次(そめじ)
染次は生前辰巳芸者でしたが、
御家人の男に騙され、
その男や
その家族を憑(と)り殺し、
無事無念を晴らします。
しかし怨念の幽霊とあって
成仏できずに彷徨っています。
そんな染次の美貌に
心奪われた弥六は、
ひょんなことから
染次と一緒に暮らし始め、
染次の勧めで、
店賃を稼ぐため
《ゆうれい貸屋》という
珍商売を始めます。
簡単に言えば《幽霊のレンタル業》
『必要な人に、幽霊を貸します!』
てな商い
染次の知り合いの幽霊なん人かに声を掛け、
いろんなタイプの幽霊を用意し、
ことに当たります
幽霊たるもの、
死ななければ幽霊になれない!
また人の枕元に立つことなど不可能!
って所、
《ゆうれい貸屋》へ頼めば、
客自身が
死んで幽霊になる必要は無く、
只依頼するだけで、
恨みつらみの相手へ幽霊を送り、
『うらめしや〜』
と一丁苦しめることが出来る算段!
さあ、幽霊稼業は繁盛するのか、
弥六の怠けぐさは直るのか、
染次や、そのほかの幽霊たちの
今後はいかに?
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これは夏の納涼に相応しい話で。
本当に楽しかったです!!
『幽霊とは、死んだ人が現れる』
『妖怪とは、人間の心が描いた
イメージの具現化』
その定義を
この演目の《台詞から》知りましたよ。
人は亡くなる際、
大なり小なり
思い残すこともあるでしょう。
でも恨み、辛みなど怨念は残さず、
スッキリした思いで
旅立てるといいですよね。
巳之助さん演じる
弥六のていたらくさが、
転じて
改心する運びで結ばれたり、
彷徨う幽霊たちを
読経で送ることも、
お盆近いこの八月に相応しい演目と
感じました。
毎年演って欲しいわ〜
児太郎さんの染次と、
巳之助さんの弥六の掛け合いも
楽しいものでした!
児太郎さん演じる
染次のやきもち焼きが、
可愛かったり、うらめしやだったり
本当にそばに出たとしても
可愛らしくて
置いといてもいい幽霊
と思っちゃうかも
児太郎さんの染次、とても良かったです!
彌十郎さんの存在感も圧巻
新悟さんの、お兼、
心尽くしの思いがよく伝わってくる芝居で
泣かされましたわ〜
それにしても勘九郎さんは
泣かせの勘九郎
「生きていればこそ…」
のくだりには、
本当に泣かされました
勘九郎さんに、
“泣かせのくだり”
“落としのくだり”
をされると、
本当に
“コロッ”
と持ってかれます
心の琴線に触れる芝居が
本当に素晴らしい勘九郎さん
今回も
コロッと泣かされましたよ〜
いやぁ〜
《ゆうれい貸家》
最高でしたね〜
ゆうれいの話し
夏に相応しい演目でしたよ