日曜日、朝ランしてみたら、先週お花見をした公園の桜はすっかり葉桜になっていた。
春が近づくと日本にはなんと桜の木がたくさん植わっているのだろう、と驚く。
たとえば電車などに乗っていたりすると、車窓を流れていく光景に花盛りの桜の木がなんと目を惹くことか。
本当に日本人は桜が好きだなぁ、と思ったりするわけです。
「見渡せば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」素性法師
そしてわたしも桜が大好きな日本人のひとりだったりする
子どもの頃は桜の花にそんなに思い入れはなかったと思うんだけど、年を重ねるにつれ愛着が増してきた。
いみじくも在原業平公が「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心ののどけからまし」
と詠ったように、そわそわしながら桜前線と天気予報(桜の咲く頃は天気も不安定だからね)を凝視したりしています。
桜の中で好きなのは、やはり枝垂れ桜。
幼いころ、はじめて円山公園(京都)の中心に咲く枝垂れ桜の大木を見た時の衝撃は忘れられない。まさに「桜の木の下には死体が埋まっている!」(坂口安吾)な風情だった。
円山公園の枝垂れ桜にはどこかマスラオな佇まいがあるのだけれども、
対してタオヤカな佇まいをみせるのが、ねねの寺として知られる高台寺の枝垂れ桜だ。
こちらも忘れ難くとても大好きな桜である。
「清水へ 祇園をよぎる桜月夜 今宵逢うひと皆美しき」与謝野晶子
今年も友人たちとお花見会をして、べろんべろんになりました。
花の下で寛いでいる時、なんとこの国は平和なことか、と思ったりします。
のどかに花を愛で、楽しむことができる幸せを毎年本当に感謝している。
「桜ばな いのち一ぱいに咲くからに 生命かけてわが眺めたり」岡本かのこ
桜って不思議な魅力があると思うの。
夜桜を見上げるのも好きなのですが、夜桜にはなんか狂気を感じてしまうのね。
人間には聞こえないメロディで夜空に向かって歌を歌っているような気がしてしまう。
(その歌を聞いてしまったひとは気が狂う)
静かなんだけど、きっとそこにはすごい音楽がある。
そんな気持ちにさせてしまうような魔力が桜にはあると思う。
「鮮やかな色で音を立てて桜が咲く」有村竜太朗
今年も、大好きな桜は咲いたと思ったら早々に散ってしまった。
楽しみにしていたのにあっという間に終わってしまうはかなさも
桜の魅力なのかもしれない。
「花の色は移りにけりな いたづらに わが身世にふる眺めせしまに」小野小町
また来年も、美しい桜を大好きな人たちと一緒に愛でることができますように。
「春の夜の夢の浮橋とだえして 嶺にわかるる横雲の空」藤原定家
※桜の写真、アップしたかったけど画素数の問題かアップロードできなかった・・・無念。