こうろとたいととのうぐち | lummoxの長い1日

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駄文、散文、写真、絵日記…何を書くかわかりませんが、その日の気分で…

これ、何かわかる?
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9月の九州旅行「諫早のとりでんまで一直線に行くぞツアー」をした時に「初めて九州旅行をした時に立ち寄った酒屋さんが…」という話を書いた。
四半世紀以上前の話になっちゃうのだけれど、偶々見つけて何となく入った酒屋さんの店主がかなり拘っていらっしゃって、当時は「酒を光に当てるなど愚の骨頂」と新聞紙に包んでしまっていたり、見た目より酒のことを考えていらっしゃった。
熊本の地震で店にも被害があったとのことで、店構えも新しく、その店舗では拘りの酒専用の大きな冷蔵室を作られたようだ。
 
以前、某オフロード車ミーティングに参加した時『おいしい酒」と紹介されたのが熊本県酒造研究所と言う会社が作った日本酒「香露(こうろ)」だった。
 
「上善如水」という日本酒のラベルがまだドットプリンタのカクカクした拡大文字(ビットマップフォント)で印刷されていた時代の話だね。
 
普段殆ど酒を飲まないので、他の何かと比べてのうまいまずいと言う判断はできないけれど、その香露という酒が、それまでの日本酒の「ベタベタして気持ち悪い口触り」という印象を吹っ切ってくれて、初めて「おいしい」と思わせてくれたその感動を覚えている。
 

そんな前置きがあっての当時の初めての熊本で、偶々見つけた酒屋さん。

熊本だから当然焼酎かと思って聞いてみたら、お勧めされたのが「香露」で「それ、飲んだことあります」という話からまた話が少し弾む。

 

当時は今と酒の分類が違っていて、特級酒、一級酒、二級酒とかに分けられていたんだ。(参照:日本酒の等級制度)

 

「香露」を買う時「この酒は等級を無視していて、等級に関係なく真面目に作っているので二級酒だけれどうまいんだよ」って教えてくれたんだ。リンクした「日本酒の等級制度」を拝読した中でも「等級監査を受けず販売する酒蔵が増え始めたのが等級制度廃止の始まり」と紹介している。

「香露」もその道を辿っていたんだねぇと今頃になって「へーへーへー」と思ったよ。

 

そんな事で少々長居をした後、「香露」を買って店を出た。

 

良い気分で「夜どこに泊まろうか…」そんな話をしていたその日の夜「これから静岡で飲み会やるから来いや」と電話。

「今熊本にいるんですけれど…」と断るも、「え、じゃあ丁度良いじゃん。今から走り始めたら丁度良い時間に着くんじゃね?」と事もなげに言われ、泣く泣く静岡に向かったんだ。

 

東京から宮崎までフェリーで行き、そこから迎えに来てくれた友人に先導されるがままに北九州の自宅へ行き、それから福岡市の写真のお師匠宅で正月を迎え、太宰府に初詣をした後で友人・お師匠と別れて熊本に観光で立ち寄った直後の静岡招集。

 

往路がフェリーだったので、復路はのんびり九州・中国地方観光を楽しみたかった。でも、夜通し走る羽目になった。

福岡から山口に渡ったところで渋滞に出会った。それを避けるために(当時はまだカーナビなんて便利な物は普及していなかったので)Mappleを参照しながら脇道に逸れた。

当時の走行記録は残っていないので曖昧な記憶に頼るしかないのだけれど、真夜中の道中、暗闇の中の道路案内板で「あっちに行けば秋吉台だって」とか「左側の暗闇に宍道湖があるらしいよ」とかそんな話をしながら宍道湖湖畔のモーテルのようなところで一泊し、福知山の辺りで「まるで日本昔話のような風景」に驚きつつ、京都辺りでは高速道路で「ジムニーでBMWを追い越し車線からのかせちゃったよー」とびっくりしつつ(「名古屋とか関西の車は追い越し車線からどかない。特に自分より格下認定した車からは!」と言う偏見?を伝え聞いていたので)、静岡まで走り抜き、何とか集合時間に間に合った。のに、「え、本当に来たの?」と言われて脱力した懐かしい思い出。

買ったばかりの「香露」、みんなに喜ばれたよ。

 

そんな思い出があるお酒なのだけれど、先日の九州旅行で立ち寄った時に改めて聞いても、やはり熊本なら「香露」は未だお勧めの酒だそうだ。             

 

中はこんな感じ。

昔は普通の一升瓶だったような記憶があるんだけれど…

 

 

 

今一番お勧めの酒はと聞くと「千代の園酒造の「大吟醸 泰斗(たいと)」がいいね」と教えてくれた。

そちらも買ってきたけれど、今はまだ冷蔵庫に眠らせている。

 

撮影のため冷蔵庫から出してみた(*1)

 

 

 

 

ずっと冷蔵庫に眠らせておくのも勿体ない話なので、そろそろ飲み始めようかって事で、先日「香露」から開けたんだ。

 

つまみは偶々お好み焼きかたこ焼きでもやろうと思って買っていたタコとパックのロースハムを切ったもの。酒を飲むつもりはなかったので、つまみになる物は意識して買ってなかったんだ。

 

それより問題だったのが、「折角のお酒、何に注ぐ?」って事。

昔はお猪口とかあったんだけれど、飲まないからねぇって事で処分した記憶がある。

そう、物って大体ある時は使わず、捨てると需要が生じるのって何でだろうね…

 

仕方が無いからNestleのカップに注いだけれど

(*2)

目で見る味わいも大事だねぇって実感したよ。

久し振りに飲む「香露」はフルーティな香りと爽やかなのどごし。矢張りおいしかった。

 

石川県に赴任していた頃は、(詳しくは知らないけれど)農口酒造から酒の神様農口尚彦氏が退職され、農口尚彦氏が作った「農口」がなくなる最後の年だったらしい。本当に詳しいことは知らないので聞いた話だけれどね。

でも、その農口尚彦氏が杜氏を務めた「農口」を偶々手に入れて、石川県でとれた魚の刺身をあてに飲んだら「地酒ってこう言う事だねぇ」と実感したんだよ。

本当に地元の食材にぴったり合う味わい。

それも一緒に思い出した。

「香露」も熊本の肴に合う味なのかな。馬刺しでも肴にしてみるか…

 

1合にも足りないくらいの量をちびちび飲む程度だけれど、気ままに飲む酒は時々なら楽しいかもね。

 

 

 

 

Pickした「香露」の販売「かのや本店」を参照すると、「香露」は「中々手に入らない希少な酒」なのだそうだ。「へーへーへーへー」ありがたく味わうことにするよ。

 

*1:2025/11/17 22:33 文章と写真追加

*2:2025/11/17 22:35 写真追加