RECAROとTOYOTA Scepterの思い出 | lummoxの長い1日

lummoxの長い1日

駄文、散文、写真、絵日記…何を書くかわかりませんが、その日の気分で…

最近は縁がないのだけれど、RECAROが自己破産していたんだね。

 

RECAROって言うと、一番に思い浮かぶのが自動車…特にスポーツカー、レーシングカーのシート。更には飛行機のシートや、ゲーミングチェア等にも進出しているのかな。

 

RECAROって会社はレカロ・オートモーティブという会社とレカロ・ホールディングって2つの会社があって、更に今回破産手続きしたレカロ・オートモーティブはアメリカにも独立した会社があって、日本のレカロはそのアメリカの子会社(?)なので、アメリカと日本のレカロおよび、レカロ・ホールディングは影響を受けないらしいので、日本で「レカロのシートが手に入らないよぉ」とはならないようだね。

 

私は腰痛がめちゃくちゃひどかった時代、1994年頃かな、当時はトヨタに勤めていた友人から乞われて、営業成績のためとトヨタの車を買うことになって選んだのがセプター(E-SXV15W)というステーションワゴンだった。

 

当時はスバルのレガシーが注目され始めていた頃だったかな。

(参考:ベストカーweb)

 

このリンクに出てくる4代目レガシー ツーリングワゴン結構も食指が動いていたのだけれど、今も昔もスバルの燃費の悪さがね…

それに加えて、私の考えとして「ステーションワゴンなら荷室は、しっかり荷物と向き合うべき」というのがあって、「『ワゴン』なのだから荷物より人を乗せることを重視するのは仕方がないとしても、荷物を載せることもしっかり考えて、せめてリアゲートは直立して容積を稼げや。VOLVO 850エステートのようにな!」と。

 

レガシーのように、ハッチバックの如くリアゲートが斜めに傾斜していたら、荷物がそんなに載らないじゃん。そんな格好重視で目的を忘れたような車に要はねえ!って感じだった。

でも、VOLVOは高い。貧乏黒企業サラリーマンには手が出ない。

そして、友人の頼みもあってTOYOTA縛り。

 

と言う事で、TOYOTAではあるけれど、生産はTOYOTA Americaで逆輸入車扱いとなるScepter(セプター)を購入することにしたんだ。

 

↓こんな感じの車ね(Scepterのカタログ…これは1992年モデル)

 

購入したのは、この中の1993年11月モデルってやつな。

 

VOLVO 850程ではないけれど、ほぼ直立したリアゲート。

全長4,820mm/全幅1,770mmと今ではさほど目立たないサイズだけれど、当時としてはこれより大きな車は殆どなかった。

 

これに乗り換える前に乗っていたのはスズキ ジムニー(JA11 全長3,295mm/全幅1,395mm)だったので、初めて試乗した時に思わず発した言葉は「リアゲートがあんな後ろにある。あんなところまでうちの車なんか?」だった。妻も後ろを見て同じ言葉を発していたよ。

納車された最初の頃は、この車の長さがとても怖かったな。すぐに慣れたけれどさ。

 

北海道へ毎年恒例のキャンプ旅行に出かけるため、フェリーに乗ったのだけれど、フェリー埠頭の誘導員が狭く空いた隙間に乗せる車を探して、このセプターと後ろに来たハイエースと思しきワンボックス車を見比べて、私をそこに誘導した。

そして、その空間の狭さ(ドアをまともに開けられないくらい)をみて不思議がっていた。

多分その誘導員は「ただの乗用車とワンボックス車なら当然ワンボックス車の方が大きいだろう」と判断したようだ。「あのさ、高さに惑わされるのは分かるけれど、ナンバーみればあっちは5ナンバーでこっちは3ナンバーなんだから、こっちの方が大きいって想像つくんじゃね?」と言ったら、ひたすら「すみません」って謝っていたな。

 

物流コンサルの仕事が忙しくなって、日本全国を飛び回っていたのもこの頃で、週3日は飛行機で北海道から九州まで移動して打ち合わせ。

そんな中で仕事の拠点が北海道となって、そちらにマンションを借りて住まうことになった。

その時、このセプターがすごく活躍したよ。ステーションワゴンとして、大容量の荷物を持って引っ越すのにとても役立ってくれた。

 

なんで唐突にそんな話を書いたのかと言うと、このセプターに私はRECAROのシートをつけていたんだ。

別にスポーツ走行をするばかりがRECAROじゃない。

RECAROのシートを買ったことがある人は知っていると思うのだけれど、RECAROシートの取り付けマニュアルには事細かに着座位置の説明が書かれている。

膝の角度、腰の角度がどれくらいになるように調整しろとかそういうやつね。

レースで活躍するなら当たり前だけれど、きちんと人間工学的にもしっかり研究された理屈で作り出されたシートなんだよ。

 

私がそれまでトヨタの車を頑なに拒んできたのは、実はトヨタの車に乗ると腰が痛くなるんだ。何でか知らんけれど、トヨタの車だけ私の腰との相性が最悪で、目隠しして乗ったとしても、腰痛具合でトヨタかそうじゃないかくらいは分かるくらいトヨタ車のシートと相性が悪かった。

 

友人から借りたAE86(LEVIN)で東京から伊豆までドライブしただけで2日寝込むほど腰痛に苦しむくらいだったよ。

 

この時は、前述のようにトヨタとはいえアメリカでの設計・製造の車だから「もしかして」という淡い期待があった。まぁ友達から涙して「お願い」って言われたらってのもあったしね。

 

結果、期待は見事裏切られて、この車でも変わらず腰痛がでた。

ジムニーと比べたら圧倒的にあちこち調整できたけれど、何をどう調整しても腰痛は払拭できんかった。

 

そこで思い切ってRECAROを買ったんだよ。

RECAROに変えて座った瞬間、全然違う!って実感したよ。

体中全てが楽。腰痛なんて別次元の絵空事になった。

シートが体を包み込んでくれて体がすごく楽になる。体重が分散される。

そう言うのが分かるくらい体にしっくりきた。

RECAROシートに乗り続けたから腰痛と縁を切れたのかもしれないね。

 

RECAROにはそんな思い出があるんだ。

だから、家で仕事をするようになった頃に「事務椅子もRECAROにしようか」って本気で考えたことがある。

でも、市販されているRECAROの事務椅子は一脚ン十万円。

とても安月給の手が届く物では無かった。

 

そのRECAROが倒産…と最初はびっくりしたけれど、一応出資してくれる会社が出てきたとの事。ただ、その会社がイタリアの会社で、RECAROの拠点もイタリアへ移したり、もう別の会社になっちゃうのかな…と。まぁ仕方ないのかね。

 

RECAROのシートは8年ほど使ったところで手放した。まだまだ使えそうだったけれど、腰痛が出なくなったので、腰痛持ちの友人に譲ったんだ。

 

もし腰痛持ちなのに、車の運転をせざるを得ない人、家でも椅子に座る度腰痛に悩まされる人などは、椅子(シート)を良い物に変えるって事を考えてみると良いと思うよ。

本当、自分に合う物に座ると腰痛はかなり軽減されるからね。

 

絶対とは言えないけれど、検討する余地はあると思うぞ。