本日の正式なタイトルは「走り回った(On the Run)らダークサイト(The Dark Side of the Moon)に落ちかけた狂気な話」というPinkFloydネタ(文字数制限に引っかかった)*1。分かる人には分かってください。何のことかわからない人も本文を読めば…
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以前から何度も書いているけれど、私が普段使いしているヘッドフォン類は
- SONY WF-1000XM4
- SONY WF-L900(LinkBuds)
- AKG K240Studio
WF-900はWF-1000XM4の影に隠れている感じもするけれど、じゃあ売っちゃえーとはまだならない。微妙に使う場所があるので、縁の下の力持ち的存在であれと思っている。
AKG K240Studioは基本的に音声編集をするときの必需品的立ち位置。
AKGのヘッドフォンは、実は数十年(ほぼ半世紀)前から利用してきた。
正直な話「『家で』良い音」を聞こうとするならスピーカ一択で、ヘッドフォンの出番はないと思っている派なのだ。
でも、スピーカの場合は聞ける場所が特定されるのに対し、ワイヤレスヘッドフォンならその可聴範囲が広がるし、どこで聞いても音場はついてくるのが便利だよね。また、深夜など近くで寝ている人がいる環境など音を出すのが憚られる時にもヘッドフォンは大活躍するね。
パソコンの前から寝室兼調理場で料理をする時まで気軽に移動しながら使えるので、前述したようにWF-1000XM4を普段使いしていて、もうそれに結構慣れちゃっていたんだよ。
で、昨日久し振りにPinkFloydのThe Dark Side of the Moon(邦題:狂気) というアルバムを聴いていたんだ。
収録曲のOn the Run(邦題:走り回って)では足音が所狭しと駆け回るし、Timeではドラムの音があちこちから聴こえてくる。まぁそんな仕掛けは曲のあちこちにあるのだけれど、それまでWF-1000XM4で何の疑問もなく聴いていたのだけれど、ふと立体感が乏しいと感じてしまったんだ。
改めてAKG K240Studioに切り替えて聞き直してみると全然音の広がりが違う。
WF-1000XM4は良いものだとは思う。
でも、やはり耳道に突っ込んだ中から響かせる音と、耳の外で鳴らす音では聞こえ方が違うんだよね。
なんていうかね…プロ野球チームの4番バッターと中学1年生のバッティングを比べるようなもの?スーパーカーと言われる車と軽トラックで400mのタイムを競うようなもの?
どちらも大袈裟ではあるけれど、それくらい前提条件に違いがあるものを比べようとしているっていうことを言いたいのだ。
オーバーイヤータイプのそれなりのヘッドフォンにインナーイヤータイプのヘッドフォンが音で勝つためには何万円、何十万円かの投資が必要になるだろう。それくらいベースの条件が違っているってことなんだよ。
オーディオにお金を注ぎ込むのはもうやめた。
老体で耳も衰えているし、今更音を求めても仕方がない。
だから、適当に、それなりに聞ける音で満足して…そう割り切っているつもりなんだけれど、何十年も聴き慣れた音で気付かされてしまうこともあるんだね。
かといって「この差に気付いたら、明日からWF-1000XM4は聴けねーぜ」なんていうつもりはない。
それはそれで普通に聴いている分にはとても満足している。
PinkFloydなんて言う音の実験室みたいな音楽を聴いてしまうからいかんのだ。
普通の音楽なら十分実用的ですとも。
そして、ここ一番良い音を!と思ったらK240Studioに切り替えれば良い。
それ以上に良い音があることも知っている。でも、そこまで追求しないよ。
アウトタイプとインナータイプでベースの条件に大きな差があるように、ヘッドフォンとスピーカの間には太平洋くらい大きな溝がある。その差をヘッドフォンで埋めようとは思わない。
我慢できなくなったら、うちのTannoy(タンノイ) Arden(アーデン)の音で癒されるし、それでも満足できなければ、友人宅のSonus Faber (ソナスファーベル)のCremona(クレモナ)のお上品な音でも聞かせて貰えば良いのだ。
兎にも角にも、何気ない音楽視聴から、あらためてヘッドフォンの音の広がりについて意識してしまったよ。そして改めてAKGの音の良さ認識できたよと言うことで、特別なオチのない話で申し訳ない。
*1:2023/07/17 23:38 文章挿入