色々なところで「あんまり運のないやつ」な私なんだけれど、実は箸選びにもその才能を如何なく発揮しているようだ。(*1)
今使っている箸、買って失敗した箸を並べてみると…(*2)
1.ゴツゴツ箸
これは数年前の旅行中、どこかの道の駅で見つけて購入したもの。
これくらいの重量バランスが良いと思ったのと、木の素材は結構良いものなので、一生使えるものとして、ちょっと高いけれど買ったんだ。
実際に帰宅して使ってみると、買う前に持って試したのは一体なんだったんだ?と思うくらいバランスが悪い。後ろが重すぎるし、何より全体の重量がありすぎて持っているだけで手がプルプル震えるくらい。そして何よりこの飾り彫が手指に刺さって痛い。箸自体の精度は高くて、箸を合わせるとぴったりくっついて箸先で髪の毛でさえ摘めるんじゃないかと思うくらいなんだけれど、その重量でプルプルするおかげで大豆1粒摘むのさえ苦労するのが実態。
他の端箸(*3)が全滅しなければ使うチャンスはないとお蔵入り。
2.コロコロ箸
実は私の箸はすでに破損してしまっていて、これは妻用の物。なので妻の好きな兎が描かれている。
前回の失敗を踏まえて、今回はごく普通のデザインと重量バランスのものと言う事を重視して選択した。が…
箸先に「滑り止めの溝」とか言っていたけれど、結構上の方についていて、いつどこでどんな状況で役に立つ代物なのか想像ができない。少なくとも私は「この溝がついていてよかたよー!」と思ったことは一度もなかった。
また、「ごく普通のデザイン」を重視したはずなんだけれど、この箸、中心部は四角なんだけれど、両端の角が削られて丸くなっている。それが影響してなのか、他の箸(うちの「他の箸」は全て四角)に比べ持ち運んでいる最中、使った後下に置いた時など、のべつどこかに転がって逃走を試みる、まるで大脱走(The Great Escape) のドナルド・プレザンスの如くだ(決してドナルド・プレザンスが転がって逃走していた訳ではない)。
箸の使い勝手という本来の目的では可もなく不可もなくなんだけれど、うちはいつも言っているように「ちょーウルトラスーパー狭小住宅デラックススペシャル」な狭い家に家具などをあれこれ置いた結果、迷路のような狭い通路を通じて食卓と調理場を行き来しなければならない。実際、この箸はその短い使用期間の間に何度も脱走を試み、一度は3日ほどの逃走に成功した。ソファの下から発見したけれどな。
そんな脱走好きの箸は使い続けたくない…そんな怨念が伝わったのかどうかは知らんけれど、私の箸はどこでそんな力を加えられたのか、箸の端がポッキリ折れた状態で箸立てに収まっていた。あまり未練もなく「仕方ないね」とちょっと嬉々として廃棄した。
3.端材の箸
前述の2種の箸を購入する以前に購入したものだけれど、これはどこで買ったかよく覚えていないけれど、多分和歌山か三重…紀伊半島外周を回る旅行をしていた時にその辺の道の駅で購入した何十膳か一袋に入った端材で作った箸だったと思う。
端材利用の箸なので使い捨てても惜しくない程度の値段だけれど、その割に仕上げも滑らかになっているし使いやすい。
今は次に紹介する箸を主に使っていて混在を防ぐため、お蔵入りしているけれど、こちらが主使いでも何ら問題がないと思っている。
4.両端使える箸
1〜2より前、3より後に、どこかの道の駅で購入した何十膳かまとめて袋に入っていた端材の箸…だと思うんだよね。
私の個人的感覚としては箸職人の方には申し訳ないけれど、箸に何万円…いや何千円というお金をかけることも勿体無いと思っている。うん、とっくにそう思っているんだ。でも、旅行に行くと気が大らかになってしまう…反省すべき。
コンビニなどでもらった割り箸を洗って使える限りリピート…もありだと思っている。
どんな飾りや塗装も調理や食べ心地、味に一切影響はないと思うので、それらは全て所有欲、満足感のための存在と割り切っていて、次の世代まで子々孫々伝えるべき伝統工芸をなんて大層な野望もないので、実際割り箸程度で十分なんだよ。
割り箸も一部世間知らずな自称自然保護な人(有体に言えば世間知らずの阿呆)は「自然破壊はんたーい」などと騒ぐんだけれど、今現在林業は苦境(後継者不足、外国製格安木材との価格競争など)にあって、資金不足に喘いでいる中でも間伐しなければならないし、その間伐した木をどうにかして有効利用しなければならない。なので「間伐材で作った爪楊枝、箸、炭」などは積極的に購入して消費するのも自然保護運動に繋がるんだよ。まぁそれを燃やすことで発生する二酸化炭素だとか、それを過剰包装する梱包材などが無駄とは言えるんだけれどな。
兎にも角にも、適当に消耗する箸を適宜新しく消費し続けるというのも自然環境保護の一環として推奨すべき生活サイクルってことでもあるし、箸を交換する時期に天ぷらをしようとか、箸を新品にしたところでちょっと贅沢をしようとか、ダイエットをしている人には、そのサイクルを作るのにも役に立つと思う。
ということで、結局紆余曲折を経て私はシンプルな端材利用箸の仕様に落ち着いている。
3の箸ではなく4の箸を使うのは、単に調理をする時に「どちらの端も使えるのが楽」というのめしこき(新潟方言の怠け者の意)思想に他ならない。
ただ、実際の使い方としては両端を使うことはなく、逆に使うつもりもないのに間違えて逆の端を使ってしまって「うきゃー!」となることも多いので、3の端にシフトすることも有りかと思っている。
ただ、3の箸は洗って水切りに長く置いておくと、水切りには箸の天(箸先と逆の端)を下にしておくのだけれど、そこがこの箸の中で一番太い部分になる。そこに水分が集中するのでカビなのか黒ずむこともあったんだ
さっと水気を切って移してしまえばそんなことはないのだけれど、のめしこきだからなぁ…
*1:2023/04/23 19:22 位置移動
*2:2023/04/23 19:29 文章追加
*3:2023/04/23 19:25 誤字訂正