今年最初の「この商品の魅力を教えて」シリーズ
その前に、「この商品を買えなかった事で激しく後悔している」ものがあるので、それについて書く。
昨年12月15日の「この商品の魅力を教えて/伝えてあげて」で紹介した
【電動三脚ヘッド「Polaris」】
先日、無事562人の支援を得て終了した。
そしてついに買わずに終わってしまった事を激しく後悔している。
最初紹介した辺りで1度目の「これ欲しいなぁ」の稟議を上げたがあっけなく却下。
そして、今年に入って、欲しかったAstro Editionの40%割引枠が再設定されたところで2度目の稟議を上げ「今年最後の贅沢とするなら買っても良いよ」とものすごーく冷たい蔑むような眼で言われた(ゾクゾク)。
今年最後の贅沢でもいいやと思って、ポチってしまいそうになったのだけれど、前にも書いたけれど私が使っているデジタル一眼レフカメラはもう10年以上前のNikon D300。なので、この三脚ヘッドを使っても100%フルの性能を発揮できない。発揮させるためにはカメラを買い替えなければならない。その出費はどこからいつ捻出する?
…そう考えた結果、ついにポチっに力が入らなかった。
しかし、終わってしまってから激しく後悔した。
無理してでも買っておけばよかった。いや、どうせもうお年寄りで、そんなに夜空を撮りに出かけるなんて事もしないよ。そんな高いものを買ったって無駄になるよ…そう思いたいのだけれど、やはり「買っておけばよかった」「何でチャンスのがしたかな」そんな後悔の念ばかり。
ま、過ぎてしまった事は仕方がない。けれどしばらくは後悔し続けるんだろうな…
さて本題にいこう。
まずは「ちょっと応援」…
【ハイブリッド真空管アンプ】
私も一時期、真空管アンプを所有していた。
専門誌などでは評論家の人がいろいろ書いているけれど、個人的に一般家庭でそんな音の違いが分かるほどの環境なんてありませんと断言したい。多少の違いはあるけれどね。
昔よく聞いたのが、「ブルーマウンテンです」と言って普通のブレンドコーヒーを出しても、多くの人は「流石ブルマン」とありがたがるっていうような話…同じようにブラインドテストをした時にその違いが分かる人はごく少数だと思う。
だから真空管だからすごいとか言うつもりはないけれど、真空管の明かりがホッコリするのは間違いない。でも、いざ真空管を使うとなると、理屈の上では真空管が温まって真の力を発揮するまでに予熱30分くらいかかるし、そこまでして真空管使いたいか?とは言いたくなる(全くそんなこと気にせず使えるけれどね)。
そしてトランスがトロイダルトランス。
磁石にクルクルコイルを巻く普通のトランスに比べ、コイルをドーナツ状に巻いたコアを有しているのがトロイダルトランス。
当然、普通のトランスより高級品だけれど、その価格に見合うだけの高性能を得られるって事で、高級アンプの必須条件みたいなトランスだわね。
その辺、ちょっとしたオーディオファンのよだれを滴らせるに足る能書きを備えたアンプだね。
自分は既にLUXMAN L-500とDENON(むかしのおじさんなのでデンオンと呼びたい)のAVR-W4100を持っているし、それ以外にもいくつかのDACを隠し持っているのでこれ以上(離婚案件となりそうな)アンプを増やす訳にはいかない。
自分は買わないけれど、これは面白そうだなとは思う商品だ。
本体についている「音楽再生/停止」「前の曲」「次の曲」ボタンがこれに必要なのか、どう使うのかは甚だ疑問だし、TONE調整をパスできない部分はマイナスポイントだけれど、アンプ部は結構魅力的だと思う。
試聴もせず買うのは如何なものかとも思うけれど、興味がある人は買うと良いよ。うん、責任は一切持てないけれどね。
【裁縫セット 音琴otokoto】
私の母は内職で和裁をしていた。
なので、私はずっと着物を縫う母を見て育ってきた。
今はどうか知らないけれど、私が子供の頃は小学校に雑巾を縫って持って行く事が当たり前だったんだけれど、当然私の母が作った雑巾は縫い目がきれいなのだけれど、当時の私はそれが当たり前だと思っていたんだ(サンプルが母と叔母(も和裁屋)しかいなかったので当たり前)。
しかし、友達の雑巾を見ると見るも無残な縫い目の物もあるし、よほど不器用な人がいるのだなと感心していた。だって、不器用な私の母でさえ普通に縫えているのに…
そしてもう少し年をとって同級生が何かの折に縫物をするところを見て「何でそんなに不器用なの?」と思った。うん、声に出すことを憚る事は覚えた年齢だった。でもオブラードに何重かに包んで「それって普通?」と聞いて「当たり前じゃん」と答えを貰って初めて「ああ、母親の方が異常だったんだ」と気が付いた。
母の縫物は、縫う速度も速く、縫い目はミシンと見紛う程に等間隔で、まっすぐだった。さすがはプロだと改めて思ったのだった。
そんな思い出があるので、その母が大事にしていた裁縫道具は今でも形見でとってある(既に鬼籍)。プロの使う鋏はとても切れ味が良い。定期的に研ぎに出していた。良い仕事は良い道具から…真理だと思う。だから裁縫を楽しむ人にも「良い道具」を使って楽しんで欲しいという気持ちがある。
でも、申し訳ないけれど私自身は素人なので、ここで紹介されている鋏などがどれだけ良い物なのか私には分からない。
心意気は共感できるし、収納のカバンに拘るところも、ウレタンフォームを使って収納をしやすくしたところも、「もし私が作るならこういう形にしたかも」と思うくらいだからこそ「売れて欲しい」とは思う。けれど、これだけの金額の物を買う価値を見出す人がどれだけいるのかなと心配になる。
売れて欲しいなぁ…
次は「うーん微妙…」な商品
【アウトドア用歯ブラシセット】
市販されているプラスチック製の歯ブラシは資源の無駄(意訳)って事で、環境にやさしい天然由来の素材で作った水だけで磨ける歯ブラシ…らしい。
着眼点は面白い。けれど
- ブラシはデリケートなものだけれど大丈夫なの?
- ケース内側にスエード生地の内張りって?
- 結局ブラシは自然由来なの?
あたりに疑問を感じる。
ブラシ部分は口内を傷つけないよう、各社気を遣っているところだろう。このメーカーさんも
汚れ除去や防汚性において利用される特殊な触媒を職人が毛先1本1本丁寧にコーティングを施すことで実現した歯ブラシです
と記載しているけれど、その「1本1本」と言うところが誠に胡散臭い。
逆に本当にこれ大丈夫なのか?と疑いたくなってしまう。
歯を磨いた後は、当然歯ブラシは濡れている。それをスエードが張られたケースに入れて乾くものなのか?
■ブラシはひまし油から作りました
ブラシ部分にはトウゴマの種子から採れるひまし由来の植物樹脂を使用しています。
とある。
そして、自然由来であるがゆえ、捨てるもよし、土に埋めるもよし(それくらい自然に優しいよ)と言っているのだけれど、QAの中で
Q6.歯ブラシの処分方法はありますか?
A. 通常通り可燃ゴミで捨てて頂く事もできますし、土に埋めて頂くことも可能です。ブラシ部分だけ生分解できないため、ハサミで切断し竹素材の持ち手と分けて処分して頂く必要があります。
とブラシは生分解できない旨が書かれている。
これはこれは自然由来ではあるけれど、樹脂に加工してしまったため、自然に分解されなくなってしまったという事か。だとしたら、ちょっと宣伝文句と違っているのではないだろうか。
私は今、ブラウンとフィリップスの電動歯ブラシを気分によって使い分けている(時々Panasonicのドルチェも使っている)。そしてそれ以外に手磨き用の歯ブラシを2種類くらい使っているけれど、メインは電動歯ブラシだ。
その電動歯ブラシは、当然ながら本体はずっと使えて、数か月ごとにブラシ部分だけ交換している。
質問だけれど、それとこの歯ブラシはどこが違うんだろう。結局ブラシ部分が生分解できずゴミになるのは同じではないのかな。
いろいろ書いてある事はもっともらしいのだけれど、アドバンテージがどこにあるのか良く分からない。
私個人としては、使ってみたい気持ちも湧くけれど、買う勇気がでない一品だ。
ここから「はにはに?」な商品
【GPカラビナ&クリップ】
まず、カラビナに栓抜き機能がある事が不思議(日本ではまず不要だろう。海外では需要があるのだろうか?)
また、カラビナ本来の使い方として「引っかけやすく、抜けにくい。そして丈夫」っていうのは「あ・た・り・ま・え」なので、このGPカラビナと称するものに何のアドバンテージがあるのかまったく分からない。
カラビナは本来の用途としては登山用。ロープを通して全体重を預ける器具だ。だから「登山用」と称するカラビナはきちんと耐荷重が明記されている。翻ってこちらは「タフ」とか書いてはいるけれど、はっきり「登山用ではありません」と明記されているし、耐荷重なども明記されていない。
他製品との比較も、サイズの一回り小さな製品と比べて「あっちは小さくて持ちにくい」と言っているけれど、2,000円も出せば同じような大きさではるかに丈夫なカラビナは他所で買える。そして、それは「栓抜き機能」以外は同等かそれ以上の性能を発揮する製品ではなかろうか。
少なくとも私は、登山用なら多少乱暴に扱っても壊れず使えることを期待できるのに、耐荷重も明記されずどれほど丈夫なのか全くスペックも分からないものに物を使おうとも思わないし、それに対して、登山用と同じ価値を付けることもしない。登山用を実用品とすればこれはあくまでも「おもちゃ」と疑うべきだろう。←あくまでも私個人の考えだ!(*2)
と言う事は、残り5,000円位の勝ち価値(*1)をクリップに見い出せなければ、この商品を買う事に価値を見いだせないと思うのだが、残念ながら私には見い出すことができなかった。
確かに犬の散歩用リードとしてみるなら(そしてそれにこれだけのお金を「リーズナブルだ」と支払える人ならば)、手軽に持てて、その辺に巻き付けられ、便利な道具と思えるのかもしれない。残念ながら私は犬を飼っていないのでその価値は未知数だけれど…
【ボルトで組み立て「ザオーブロック」】
いくつかの金属の板とボルトを組み合わせて、自分で組み立てるスマホスタンド。
一瞬「漢の遊び心を刺激するぜ」的な製品なのだけれど、普通に考えて、金属むき出しのこれにスマホを置いたら傷だらけになっちゃうよ。
その辺考えてます?
「おもちゃです」なら良いんだけれどね…
*1:2022/01/31 06:46 誤字修正
*2:2022/01/31 06:54 文章追加
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