ある時期の国語の先生がとても印象に残る先生だった。
授業としての教え方がうまいかどうかではなく、授業の最中、ボソッと語る話が印象的で、ずっと(今でも)残るような話がいくつもある。
ある時、テストの設問に対して私が自信をもって答えた物にバツがついていた。自分では何がどう間違っているのかまったく理解できなかった。なので、答案を返してもらった後、教員室に聞きに行った。
「この答えはどこが間違えているのですか?」
「これはね、1か所を除けば間違っていないんですよ。でもね、『卑下』って言葉の使い方を間違えています」
「?」
「卑下っていうのは、『自分を劣っているとしてへりくだる事』なのです。だから卑下と言う言葉を使う時、それは常に『自分を』なのです。」
「!」
「だから、「○○さんを卑下する」とか「自分を卑下する」と言う言い方は間違いです。前者は使い方を間違えているし、後者は「自分を卑下する」…一瞬正しいように思いますが、「自分を自分が劣っているものとしてへりくだる」ってしつこくなるでしょ。だから「自分を」はいらないの。「卑下する」と書くときは、それは常に自分に対してです」
「!!」
すごく納得できた。
最近、「自分を卑下する」と言う言葉をネットでよく見かける。その度に先生の顔が思い浮かぶ。
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