コンプライアンスとリスク管理 3 | 女性起業家 ルミナスのブログ

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公認会計士であり、組織の仕組みづくりのお手伝いをする会社を経営しているルミナスが      

日々感じたことを書いています。

ルミナスです。


昨日まで、コンプライアンスとリスクについて

お話してきましたが、今日は最終回。

"リスク"への慣れ、
つまりリスク感度が麻痺してしまうこと。

についてお話したいと思います。


リスクマネジメントを語るときに

必ず取り上げられる、

ハインリッヒの法則というものがあります。


これは、「1件の重大事故の背後には

29件の小さな事故があり、

さらにその背後には事故までには至らない

300件のヒヤリとしたことがある」

というものです。


本来、リスクの顕在化を防ぐためには

ヒヤリの段階で早めに対応策を講じることが

必要なのですが、

兆候が生じても、無視してしまうことが

我々にはあります。


たとえば、以前問題になった、

某金融機関での誤発注事件。


金融機関では一定額以上の取引を行うと、

警鐘が鳴るようにシステム上設定されていますが、

この警鐘がなる回数があまりにも多く、

担当者は警鐘を気にとめなくなっていると聞きました。


皆やっているから平気、何回もくりかえしているから平気。

回数を重ねるごとに、精神的ハードルが下がっていくのです。


兆候が頻繁に発生するためにリスク感度が麻痺してしまい、

対応策をとらなかったためにリスクが顕在化した一例です。

概して仕事にはスピード感が要求されますが、
時間のない中でリスクを最低限に減らすためには、

要注意項目を事前に洗い出し、

判断の感覚を磨いておくことが何よりも有効であると、

日々の業務を通じて感じています。