2024年 甲辰年の象意 | 四柱推命日記

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年が明け、あと一か月ほどで

年運も2023癸卯⇒2024甲辰へと変わります。

甲辰きのえたつ、あるいはこうしんと読みます。

 

甲はよろいであり、鱗を付けた

草木の芽がその殻を破って

頭を少し出した、その象形文字です。

日本ではこのことを“甲折かいわれ”とも言うのです。

(或いは十干を人体の各部位に置き換えますと

甲は人間の頭部の形と採ることもできます。)

 

本来の干支の意味、則ち植物の

盛衰を表す象形文字の意味を採りますと

甲は殻閡(種)を破って出てこようとする力であり、

人間世界に置き換えますと

旧体制を破って革新の動き、

新しいものが生み出でて来る象意になります。

 

そこから甲の年は

旧来のしきたりや悪習を破って

革新の歩を進めねばならない年、

このような意味を持っています。

 

また甲というのは木性の陽干であり、

木性を五行配当で考えますと

以下のような意味合いがあります。

 

木性

青、緑

歳星(木星)

青帝

大皥

句芒

甲乙

寅卯辰

旧一月、二月、三月

 

 

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地支の辰は十二獣では唯一架空の生物である

龍が配当されており、十二支の中では

遠天空の天、すなわち最も地上から遠い

天上を意味する地支です。

ですから、辰巳空亡というのは

最も高い天頂の虚、という風に立体五行論で

思考されるわけです。

 

この十二獣というのは初出は王充の論衡

とされていますが、おそらくは

王充が考え出したのではなく

それ以前の時代から配当されていたものを

王充が論衡で取り上げたものでしょう。

 

象形文字としての辰の意味は

説文から言えば会意文字であり

理想に向かって辛抱強く、

種々の抵抗や妨害と闘いながら

歩を進めていくという意味になります。

 

辰の中の二の字は

上、天、空、神、理想を表す

指事文字で、辰の字には

振、伸、震と相通ずる意味があるとされるのです。

振るう、伸びる、震動する、

いずれも大きなエネルギーの発露を意味しています。

 

 

易では六十四卦の震為雷、すなわち雷の卦であり、

非常に騒がしい動揺がある、

思いがけない変動や災禍を生ずる。

旧体制を脱し新しき創造の芽が出るが

まだまだ抵抗があって調子に乗ると禍を被る。

ゆえに慎重に、気を付けて進まなければ

なりませんよ、という意味を持っているのです。

 

 

こうしたこともあり、

辰の年や辰戌の土冲には

地震の意味もあります。

 

 

特に日本に関してはその命式そのものに

甲辰という干支が入っていますし、

 

※日本の命式

年 丁亥

月 甲辰

日 壬午

⇒申酉中殺、日本の宿命は守護神両透の上格

2024年甲辰は月律音で節目の年

 

 

さらに令和の開始日は戊辰月、戊戌日で

まさに地震を表す日であったりと

その宿命を暗示しているところがあります。

 

※令和の宿命

年 己亥

月 戊辰

日 戊戌

⇒辰巳中殺、2024甲辰は西方天剋地冲

宿命納音で西方冲動所有、

令和の日本は内面がバラバラで纏まりがない

同じ民族内でも衝突あり。

時代性は昭和と同じく陽の時代だが波乱含み。

(こういう日を大事な元号の開始日に

選択してしまう事自体が愚か。)

 

 

話を戻しますと

殻を破る象意の甲と震動を意味する辰の組合せは

新旧交替の時であり、現実は激しさを伴い、

新規が伸びていくには旧体制を壊し

殻を破らねばならないが、

旧体制による諸処の抵抗や妨害があり、

その困難と闘う努力を要し、慎重に

延びていかねばならない、という意味になります。

 

則ち革新的歩みを進めるに当たり、

数々の妨害や抵抗、それとの

交渉や動揺があることの示唆なのです。

簡潔に述べれば多事多難の年といえます。

 

前年を振り返りますと癸卯であり

その意味は物事の筋道を正しく通さねば

物事が紛糾して始末がつかなくなる、

ゆえに2023年のうちに法や筋道を正しておかないと

2024年の革新において諸処の妨害により

新しい芽の伸び方に

好調不調の差が生ずるということになります。

 

そして2025年、乙巳になりますと

頭を出した芽が真っ直ぐにならず

抵抗の為に曲線を描いている象形文字です。

巳は地の中に籠っていた蛇が冬ごもりをやめて

外に出てくる意味があります。

巳の意はやむ。

そこから、まだまだ抵抗があるものの

乙巳の年にはけりがつくという意味があります。

 

この年には645年の乙巳の変(大化の改新)

があったように

いかなる抵抗も排除して旧体制の問題に

終止符を打ち、新体制を堂々と進めていく、

このような意味があるのです。

 

この乙巳の処し方を間違うと

次の丙午で旧体制、旧勢力の

突き上げに合うとされるのです。

 

 

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歴史上の甲辰

 

前回の甲辰年は1964年.

最も大きな出来事は

アジア初の開催国となった

東京オリンピックの年でした。

 

そしてこの年にはマグニチュード7.5の

新潟地震があり、約70000戸の住宅が被害を受け

死者が26人発生しています。

人的被害よりも建物や橋など

構造物の被害が非常に大きかったようです。

 

さらに富士航空機墜落事故のあった年でもあり、

2024年初の動きと重なるものを感じさせます。

 

 

 

 

 

もう一つ時代を遡りますと

120年前の甲辰は明治37年(1904年)。

これは日露戦争勃発の年です。

 

日露戦争は大成功、大勝利などではなく、

実質はまさに悪戦苦闘。

金銭的には高橋是清の求めに応じた

ユダヤ人のジェイコブ・シフの支援もありましたが

軍も政府も野党も皆苦心惨憺して

翌年の乙巳もその始末をつけるために

大努力してようやく勝利に漕ぎつけた戦いです。

 

甲辰とはそれだけ激しい努力を

要する年であると言えるでしょう。

 

 

もう一つ遡りますと1844年の甲辰ですが

弘化元年となり、この年には

幕府の旧体制に対して革新の議論が高まっており

ちょうど明治維新に向けて、

新体制と旧体制の闘争が激しくなってきた年でした。

 

1868年の明治維新の14年前に当たりますが

既にこの頃には倒幕の動きが始まっていたわけです。

 

 

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こうして見ていきますと

甲辰、乙巳の年とは

なかなか平穏安息な年とは言えず、

歴史上を見ても、大努力を要する年、

多事多難を乗り越えると

その先に希望が見える年であるようです。

 

日露戦争に似た部分では

台湾有事、中国の動向が問題になります。

今のうちから資金源を作り、相手の弱点を握り

勝てる作戦、理想的には戦わずして勝つだけの

知恵知略を入念に練っておかなければ

日本はさらに領土を失う可能性さえあります。

 

 

東京オリンピックに似た所でいえば

既に問題山積ですが2025年の

大阪万博が控えています。

 

 

そして旧体制が壊れるという意味では

自民党、日本政治、選挙制度そのものの抱える

因習や諸処の問題があるわけです。

 

この辺の改革も含めて

2024年は問題が一層紛糾し荒れるが、

2025年になると少しずつ収集がついてくる。

そのような見方が出来ます。