2016年3月、「JK卒業式」ライブにて、現状の5人体制後初の新曲として披露された一曲。
古き良きアイドルソング、そんな表現を引っ張り出してきたくなる、どこか懐かしさすら感じるメロディに、桜舞う春の爽やかな恋を描き出す詞。
ほとんどのメンバーが高校卒業し、大学進学やチームしゃちほこ社長などの道を歩き始めた中、新しい春のスタートを飾る曲として、
大人っぽい世界観も増した、心機一転の一曲となっている。
詞の微笑ましさもさることながら、間奏のエモさにも注意して聴いてみていただきたい。
和のテイストすら感じるピアノの旋律に、凝縮された刹那さが込められている。花びらがはらはらと散っていくような、哀愁すらも感じさせる瞬間。
その先で歌われるのは、泣き顔は見せないという、静かな決意。
間奏前の歌詞と確かに連動はしているものの、なんとなくこの部分の歌詞だけ、別世界に旅立ったような錯覚すら感じてしまう。
しゃち曲の中でも屈指の乙女らしい曲であるはずなのに、いつも淡い謎を漂わせながら僕の脳内を満たしていくのだ。
いや、ひょっとしたらこの曲は、ただ恋する乙女の心情を歌ったものではないのかもしれない。
間奏前後から、別れの予感、新しい自分や世界へ踏み出していくフレーズが続く。
これは、恋をしている最中の乙女の歌ではあるけれど、同じくらい、何らかの形で今の恋を締め括り未来へと歩き始める、決別の歌でもあるのかもしれない。
あくまでも、全部、僕の妄想なのだけれど。