夏の日の花火 | ココロのコトバ

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起立性調節障害という病気で、中学は2年半完全不登校だった息子。
単位制の通信制高校に進み、見違えるように生き生きと高校生活を楽しんでいます。

前向きに一歩ずつ…息子と娘とシングルマザーの私で歩んでいます。

夏が近づくと思い出すことがあります。



現在高1の息子は

中1の2学期から起立性調節障害という病気の発症とともに

不登校になりました。



学校に行きたくても身体がついていけない

親や周りの人に自分の気持ちを理解してもらえない



そして息子は



うつ状態になり

笑わなくなり

1日のほとんどを布団の中で過ごすようになりました。



ご飯のとき以外は

部屋にこもったきりです。

大好きだったゲームもパソコンもしません。



たまに部屋をのぞくと

死んだような目でただ天井を見つめていました。




そんな息子が唯一、家から出るのは週に1度

病院内で行っているデイケアでした。

息子と同じように不登校や引きこもりの子たちが集まって

ゲームやクッキングなどをします。

体調の良い日は何とか頑張って通うようになりました。



中2の夏

不登校になって1年が経っていました。

その日のデイケアは『バーベキュー&花火大会』

病院の敷地内で行います。

花火をするのでいつもより終わる時間が遅くなるので

保護者のお迎えが必要でした。(普段はひとりで徒歩で通っていました。)



私はデイケアでの息子の様子が見たくて少し早めに着いて

少し離れたところで車の中から様子を見ることにしました。



息子はどんな様子で参加しているのだろう?

みんなと打ち解けているのだろうか?

ドキドキしました。

すでにバーベキューは終わっていて、みんなで花火をしているところでした。

子どもたちが10人位いたでしょうか…息子は…?




息子を見つけました目




薄暗い夜の闇の中、花火を手に持って友達と追いかけっこをしながら



息子は楽しそうに笑っていたのです。



久しぶりに見る息子の笑顔

何か月かぶりに見る息子の笑顔です。



涙が出ました。



息子が笑ってる。

すごく楽しそうだった。

すごく嬉しかった。



車の中で涙を拭きながら彼を見つめていました。



ここは紛れもなく息子の居場所なのだ。



そしてここに通うようになって

楽しみをみつけたのか、うつ症状はなくなり

家でもゲームやパソコンを再開し

もとの息子に戻ったのでした。



ここに通う!と自分で決めた息子。

もう学校には戻れないと悟っていたんだね。



自分の息子を不登校だと認めたくなかったダメ母。


自分から不登校の仲間の集団に飛び込んでいった息子。



ここから君が這い上がってくることを

この時、ダメ母は想像もしていなかったよ。






もうすぐ夏が来ます。

花火の季節です。



夏の花火の中に見つけた

はにかんだ息子の笑顔が思い出されます。