有名なハーマン・メルヴィルの小説の映画化です。主演はグレゴリー・ペック、監督はジョン・ヒューストンです。

自分の右脚を食いちぎられた捕鯨船ピークォード号の船長であるエイハブ船長は「復讐の鬼」と化して捕鯨のためにアメリカ東海岸のニュー・ベッドフォードを出港したにもかかわらず、部下を白鯨追跡のために使おうとします。それは法によれば船員全員で船長を逮捕できることを、一等航海士のスターバックは乗組員に語りますが、乗組員は同意しません。

やがて白鯨とエイハブ船長との最後の戦いが始まりますが、エイハブ船長はロープとともに白鯨に縛り付けられ、白鯨はピークォード号に体当たりします。全ての乗組員が溺死する中、イシュメルという青年のみが生き残ります。そしてこの物語を語り継ぐことになります。

ずいぶん以前に「週刊少年マガジン」にこの・白鯨」が影丸譲也氏により劇画化されて連載されたことがありましたが、その時のキャラクターはこの映画の影響を参考にして考えられていたことか分かります。ただ読者層を意識して、イシュメルは十代の少年として描かれていました。

よく見ていくと、この映画にはミュージカル映画の要素も盛り込まれています。船員たちが合唱で歌う場面がいくつもあります。脚本をアメリカを代表するSF作家であるレイ・ブラドベリーが書いているのも意外です。