今週はフランス趣味とイタリア趣味の融合を目指した作品が紹介されます。



1.ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー


「カプリッチョ第3番・ニ短調」


フローベルガーはウィーン宮廷のオルガン奏者でした。イタリアに赴きイタリアのフレスコバルディに学びました。


オルガン演奏は、ボスファン・アスペレンでした。



2.ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー


「組曲第2番・ニ短調」


フローベルガーはフランスにも赴き、フランスの音楽家と交流しました。彼の持ち込んだフランス趣味とイタリア趣味の音楽は、後のドイツの音楽家に大きな影響を与えました。


この作品はフランス風に、前奏曲、アルマント、クーラント、サラバント、ジーグから構成されています。

チェンバロ演奏は、ボスファン・アスペレンでした。


3.フランソワ・クープラン


「リュリ讃歌」


ストーリーが作られており、リュリがフランス趣味の代表として登場し、コレルリがイタリア趣味な代表として登場します。


パルナッスス山で2人は演奏しますが、最後には2人で共演します。詩による語りが付いているのも興味深いです。


しかしこの作品の中でクープランは、暗に自分こそフランス趣味とイタリア趣味とを融合させることができる音楽家であると、遠慮がちに主張していると考えられます。


演奏は、リチェルカーレ・コンソートでした。



後記・「リュリ讃歌」のようなエス・プリに富んだ作品は、フランス人てないと書けないでしょう。フランソワ・クープランはこれまでの検証では、イタリアに赴いたことはありません。おそらくヴェルサイユのイタリア人音楽家からイタリア音楽を学んだのだと考えられます。