露軍機撃墜


トルコ、謝罪拒否


首脳会談見通したたず



【モスクワ真野森作、エルサレム大時治朋子】トルコ・シリア国境付近でトルコ軍機が「領空侵犯を理由にロシア軍機を撃墜した事件では、双方の主張が真っ向から対立している。フランスのオランド大統領が目指す過激派組織「イスラム国」(IS)掃討への「大連合」の形成にも影響を与えそうだ。



ロシア機の撃墜を巡っては、プーチン露大統領がトルコに経済制裁などを科し、謝罪を要求。トルコのエルドアン大統領は謝罪を拒否する一方、プーチン氏との首脳会談を提案したが実現の見通しはたっていない。ロイター通信などによると、エルドアン氏は27日、ロシア側の制裁を強く批判。ただ、「ロシアとの関係は重要で、関係を傷つけることは望まない」とも語り、パリで30日に開かれる国際気象変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の機会を利用し、首脳会談を希望する意向を明らかにした。



ロシア側の態度は強硬だ。プーチン氏は「ロシア機はシリア領空を飛行していた」と主張。AP通信によると、ウシャコフ大統領補佐官は27日、エルドアン氏から2回電話があったが、プーチン氏が電話に出なかったことを認めた。また、トルコから首脳会談の提案あったことを明らかにし、謝罪がない限り首脳会談には応じられないとの姿勢を示した。
11月29日付「毎日・大阪版」より



以上記事本文



トルコ機によるロシア機の撃墜は、両国関係に大きな陰を落としています。プーチン・ロシア大統領はエルドアン・トルコ大統領に対し、謝罪を要求していますが、エルドアン氏はこれを拒否。しかしロシアとの関係を決定的に悪化させることは避けています。



このトルコ側の姿勢には、アメリカや今回の同時多発テロルの最大の被害者てあるフランス、さらにはイギリス、地上軍の派遣を決定したドイツなどの意向が反映しているのでしょう。



しかしこのままでは、オランド・フランス大統領が提唱した「大連合」が不完全なものになってしまいます。



かつて帝政ロシアとオスマン・トルコとは、18世紀のロシア・トルコ戦争の時代から、19世紀中頃のクリミア戦争に至るまで、戦争を繰り返して来ました。そのような、両国の負の歴史を繰り返すべきてはありません。