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アントニオ・ヴィヴァルディ


この間購入した、アントニオ・ヴィヴァルディの「調和の霊感」を、現在よく聴いています。



このCDには、全12曲中8曲が収録されています。演奏はターフェルムジーク・バロック合奏団によるものです。



ヴィヴァルディの音楽と言えば、なんといっても各種の協奏曲で有名です。特に自らがヴァイオリンの名手であったため、この「調和の霊感」や「和声て創意の試み」の中の「四季」がよく知られています。



彼の音楽の特色は、なんといってもヴァイオリンの特色を生かし切った、華麗で華やかな曲風です。



しかし、こうした作風が、特にドイツ音楽好きの人たちにとってば「下品」で「騒々しい」 と響くようです。



これらの批判に対しては「そもそもイタリア音楽とはこうしたものである。」と答えておくべきでしょう。



こうした華やかさや華麗なヴァイオリンや演奏テクニックの披露こそがイタリア音楽なのですから。


ドイツ音楽を至上のものとする考えからは、ヴィヴァルディの面白さは理解出来ないと思います。


わが国の「ドイツ音楽崇拝」の弊害は、こうしたところにも現れているようです。純粋にヴァイオリンの音色や楽しめばいいのに。



ヴァイオリン協奏曲以外にも、彼は多くの楽器のための協奏曲を残しています。その数約600曲!



こうしたいろんな楽器のための協奏曲は、彼が教師をしていた、ビエタ(女子養育院)の生徒のために作曲されたものと思われます。ビエタの生徒の演奏ぶりは、あのフランスの啓蒙思想家のジャン=ジャック・ルソーも絶賛しています。



ビエタでは、徹底した音楽カ教育が行われていました。当然いろんな楽器があり、それぞれ得意な生徒もいたことでしょう。


ヴィヴァルディはこうした独奏楽器に用いられることの少ない楽器が得意な生徒達にも、晴れの場を設けてあげようとして、マンドリン協奏曲やビッコロ協奏曲などの変わった協奏曲を書いたのでしょう。



ビエタには、体に障がいがあるために預けられた生徒もいたようですが、ヴィヴァルディはこうした生徒のために、演奏し易いように楽器の改造を行ったようです。実に泣かせるエピソードです。