『プラトーン』

1986年アメリカ映画 120分

監督:オリヴァー・ストーン

脚本:オリヴァー・ストーン

出演:チャーリー・シーン ウィレム・デフォー 他


オリヴァー・ストーンって今まであんまり興味がなかったけど、まだ63歳なんだ。有名な話かもしれないが、この人自身がベトナム帰還兵だということもこの映画見て初めて知った。


その実体験がベースとなったベトナム戦争記。アメリカの現状に疑問を抱き、裕福な家を捨て、大学を中退して軍に入ったテイラー(チャーリー・シーン)だが、戦場の惨状はそんな彼の正義感を遥かに超えていた。しかし、地獄のような戦闘をくぐり抜けていく中で、彼も次第に変わっていく。


テイラーの成長は、理想主義を体現するエライアス(ウィレム・デフォー)と、現実主義を体現するバーンズ(トム・ベレンジャー)という二人の対照的な上官=「父」との関係の中で描かれる。簡単に言えば、理想主義は現実主義に駆逐されるのだが、最後の戦闘を経てテイラーはその現実主義をも駆逐する。


理想が死に、現実も死んでしまった後に残るのは何なのか。この映画の中では具体的に描かれないが、それが虚無であり、頽廃であろうということは容易に想像がつく(そしてこの物語がここまで簡単に図式化できてしまうことに微かな驚きを覚える)。


アメリカ本国ではこの監督、人によって好き嫌いが分かれるらしいが、そこにアメリカ人と日本人の感じ方の違いを見るような気がして興味深い。例えば、日本人である私は、この圧倒的に悲惨な情景を前に、ほぼ反射的に「何も言えない」と思ってしまう。しかし、アメリカ人はおそらくそういうところで判断していない。そもそも、「好き嫌いが分かれる」という表現自体が妥当ではないのかもしれない。要は「賛否が分かれる」ということなのだろう。そしてその「賛否」は彼自身や彼の作品に対してというより、この戦争そのものに向けられたものと解すべきなのだろう。


無名時代のジョニー・デップがチョイ役で出ている。そして、「デスパレートな妻たち」で怪しい夫を演じてるマーク・モーゼスが、ここでも真意の掴めない少尉を演じている。


大麻やりながらジェファーソン・エアプレイン聴いてるシーンがあるが、もともとそういうところで聴かれてた音楽なんだよなぁ。何気なく日頃聴いてるんだけど。


   星空を見上げているテイラーとエライアス。

テイラー「最高の夜空ですね」

エライアス「夜だけは素晴らしいんだ。満点の星…戦争なんか超越して光ってる」

テイラー「いい表現だな…」

   テイラー、エライアスを見て、

テイラー「バーンズは危険です」

エライアス「聖戦だと信じてるんだ」

テイラー「軍曹もそうでしょう?」

エライアス「65年までなは。今は…違う」

   深く息をつくエライアス。

エライアス「虐殺はまだ続くぞ。我々は負ける」

テイラー「本当に負けると思うんですか?僕たちが?」

エライアス「ずっと敵を倒してきたが、今度はやられる番だ」

テイラー「……」

   流れ星が光る。


★★★★★★★★☆☆