『ワン、ツー、スリー/ラブハント大作戦』

1962年アメリカ映画 108分

監督:ビリー・ワイルダー

脚本:ビリー・ワイルダー I・A・L・ダイアモンド

出演:ジェームズ・キャグニー ホルスト・ブッフホルツ 他


物凄いテンションのスラップスティック・コメディ。舞台は冷戦下のベルリン。東西対立を皮肉った内容なのだけど、この当時の緊張感がどれほどのものだったのかを実感として知っているわけではないので難しい。ただ、相当危険なネタをやっている、ということは分かる。


主人公は、コカ・コーラ西ベルリン支社長マクナマラ(ジェームズ・キャグニー)。本社の社長から、ベルリン滞在中の娘スカーレット(パメラ・ティフィン)のお目付け役を頼まれるが、このスカーレットというのがパリス・ヒルトンみたいに無茶苦茶な子で、マクナマラの目を盗んで東ドイツに行き、オットー(ホルスト・ブッフホルツ)という恋人を作り、結婚までしてしまう。出世して英語圏に帰ることだけを願っているマクナマラはスカーレットの不祥事をどう社長に隠すかでてんやわんや…。タイトルの「ラブハント大作戦」という言葉は、完全に見当外れです。


深い意味までは分からないが、キャラが立ってて面白い。パンツも靴下もはいてない典型的な共産主義青年のオットーや、やめろと言うのにいつも靴を鳴らす元ナチス?の秘書シュレマー(ハンス・ロザー)、コーラの作り方を知りたがっているロシア人たち、等々。そもそも、コカ・コーラの支社長っていう設定がいいよな。東西対立しててもコーラは飲みたいっていうところ。


考えてみれば変な飲み物、コカ・コーラ。別に飲めないわけでもないけど、私、好んでコーラを飲んだことって一度も無いかもしれない。今までの人生の中で飲んだコーラの総量合わせても、500mlペット一本に満たない気がする。でも、飲む人は本当に飲むよな。作り方は最高幹部しか知らないトップシークレットらしいが、一体何が入ってるんだろう。


最後のオチが気が利いてる。


   社長に会わせる前、急ごしらえでオットーを紳士に仕立てた

   マクナマラとスカーレット。

   迎えに行く車中で、スカーレットがオットーに会話のネタを教える。

スカーレット「パパがこだわってる問題があるわ。ひとつは南北戦争」

オットー「南北戦争?」

マクナマラ「答えは”引き分け”だ。”引き分け”」

スカーレット「(オットーに)コカ・コーラ」

オットー「?…」

マクナマラ「”9本パック、12本パックも売り出すべき”!」

スカーレット「ゴルフ」

マクナマラ「”家庭円満の秘訣”!」

   必死でついていこうとしているオットー。

スカーレット「世界情勢…」

マクナマラ「”希望あり”」

スカーレット「生体解剖…」

マクナマラ「”犬に残酷”」

スカーレット「中国、内税、テネシー・ウィリアムズ…」

オットー「待て!全部は覚えきれない!」


★★★★★★☆☆☆☆