『ゾンビーノ』
2007年カナダ映画 91分
監督:アンドリュー・カリー
脚本:アンドリュー・カリー ロバート・チョミアック デニス・ヒートン
出演:キャリー=アン・モス ビリー・コノリー 他
そんなジャンルがあるんか知らんがゾンビコメディ。
舞台は、ゾンビとの全面戦争を経た後という設定の、架空の1950年代。平和で豊かでアメリカンな郊外の住宅街では、しつけ首輪で制御されたゾンビが奴隷として飼われている。少年ティミー(クサン・レイ)の家でもゾンビ(ビリー・コノリー)を飼うことになり、友達のいないティミーはそのゾンビと仲良くなる。しかしある時間違ってゾンビがおばあさんを噛んじゃっておばあさんもゾンビになってあら大変、という話。
疲れるな…。
思いついた時点では面白かったのであろうと思われる。そして、もっと短ければ実際面白かったのだろうと思われる(事実、これもともと短編映画だったみたい)。でも、長編映画という形に整えるにはどうしても雰囲気だけじゃ足りなくて、いろいろ裏支えのためのルールが必要になってくる。で、この映画、そのハードルを無理やり乗り越えようとして最初から最後までそのルールの解説に終始しちゃった感じがする(「葬式代が高いからみんなゾンビになる」とか「ゾンビじゃなくなった瞬間に人権を失う」とか)。だから物語が感情的な方向に弾んでいかない。あと、「ゾンビは喋れない」っていう制約も、一時間半の物語を持たせるにはキツい。
そして、ブラックユーモアってことなんだろうけど、子供がゾンビばあさんを椅子でボッコボコに殴ったり、母親が子供ゾンビを銃で撃って捨てたり、あるいはゾンビと人間がいい感じになったりといった部分は何ともいえず気持ちが悪い。作り手はすごいノリノリでやってそうなのだが、何がそんなに面白いのか正直良く分からない。日本が火葬をする国だからってのもあるだろうな、この関心の落差。
葬式に出た後、ティミー、母ヘレン(キャリー=アン・モス)に、
ティミー「人が死んでゾンビになったら…死んでないの?」
ヘレン「厳密にはね。天国へ行く前の苦行のようなものよ。(イライラして)パパは何してるのかしら…」
ティミー「じゃあ、ゾンビは罪人?」
ヘレン「(笑って)人間はみんなそうよ。でも神様は救いをくれる」
ティミー「人殺しのゾンビでも?」
ヘレン「殺すのはゾンビの性質だから…」
ティミー「悪くない?」
ヘレン「悪くないわ」
その返事を聞き、満足げなティミー。
★★☆☆☆☆☆☆☆☆