『金語楼の子宝騒動』
1949年日本映画 61分
監督:斎藤寅次郎
脚本:八住利雄
出演:柳家金語楼 花菱アチャコ 美空ひばり 他
子供がめちゃくちゃいっぱいいて大変という話。それだけっちゃそれだけなんだが、この土着の不条理さは「サザエさん」や「おそ松くん」なんかに受け継がれていく類のものだ。
寅さんのモデルになったという監督の斎藤寅次郎に興味がある。その時代の客を熱狂させるか、それとも歴史的価値のある作品を作るか、監督のスタンスにもいろいろあるが、この人は典型的な前者。この人の何も残さなさはある意味潔いほど。
お約束の金語楼のハゲネタ、アチャコの喋り、そして当時若干12歳の美空ひばりの歌唱など楽しめる要素は多い。しかし美空ひばりは体が子供で顔と声が大人。CGで合成してあるようでなんか気持ち悪い。個人的に一番ツボだったのはアイスキャンデー屋になっている金語楼のビジュアル。ホント、昔の喜劇人の造形ってよくできてるよなぁ。携帯のストラップにしたいくらいだ。
興味深かったのは、金語楼が薬屋に避妊具を買いに行くところ。コンドームじゃなくて「ジェリーやペッサリー」を求めるんですね。ジェリー…??
脚本は八住さん。ホント、この頃の脚本家ってほんの何人かしかいない気がする。物凄い数書いてるし、クオリティも高い。ジャンルもめちゃくちゃ幅広いし。一体どういう体制で作っていたのだろう。
子供たちに退職金をせびられる金太郎(柳家金語楼)。
金太郎「30年間、汗水たらして働いた…そしてやっともらった、金だよ…。ね。本店に行く途中で不良少年に頭ひっぱたかれたり、若い銀行員に顎で使われて…(声裏返り)文句ひとつ言わないで、やっともらったこれ退職金だ。これをみんなに取られて、これから一体あたしはどうなるんです。え?夜もおちおち寝らんないで(涙声で聞き取りづらく)楽しみに考えてた今日までのあたしは一体…」
★★★★☆☆☆☆☆☆