『がんばっていきまっしょい』
1998年日本映画 120分
監督:磯村一路
脚本:磯村一路
出演:田中麗奈 清水真実 他
70年代半ばの愛媛の県立高校が舞台。女子ボート部を作った悦子(田中麗奈)たちが成長してく様を描いたキラキラした青春物語。
とても爽やかでいい話なのだが、というか、だからこそ、なのか、一つ一つのエピソードはさらっと流して突っ込まない。最初悦子が抱いていた現状への不満にも特にこれといった理由はないし、訳ありっぽいコーチ(中島朋子)の過去話にも踏み込まない。だから、「勝てば嬉しい、負ければ悔しい」という極めて単純明快な行動原理で全てが説明付けられる。その辺りのシンプルさは、「恋空」の思想ともあまり違わないんじゃないかとすら思う。
で、それがちょっと怖いと思ってしまう私も健在だ。
どうしても高校時代のことを思い出してしまう。この映画の高校ともっさり感がそっくりなんだ。「しょい!」みたいなこともやってたやってた。そして私はそういうのがイヤでイヤでイヤでイヤでイヤでイヤでまーしょうがなかった。破竹の勢いで背が伸びてた時期でもあり、何かいろんな意味で「あーこまいこまい、こますぎる」と思ってた。アグレッシブであった。年中腹を立てていた。当然男子も寄ってこず…。そう言えば体育教師に殴られて鼻血出して「もういい!」ってなって帰ったこともあったな…。卒業式の日、上履きを投げつけて帰ったのも今となっては麗しき思い出だ。もちろん、この映画のような青春が入り込んでくる隙間なんて1ミクロンほども見つからない。
でも結局、そのころの私は怖がっていたんだと思う。この映画に出てくるみたいな、青春らしい青春というものを。それってある種の洗脳なんじゃないかと思い、そんな風に動かされるのがただイヤで。
…ま、何を言おうと負け惜しみ。実際この映画みたいな高校時代を送れたら楽しかっただろう。それはそうなんです。ケチつける気もないんです。
でもやっぱり未だに私は、30人31脚を見てても、画面には決して出てこない「お腹痛い」と言って学校休んでる子のことを想像せずにはいられない。私が本当に分かるのは、やっぱりそういうの子の話だけなんだよな。
試合のため旅館に泊まっている悦子たち。
夜、布団に入ったが、眠れず、去年の合宿を懐かしむ。
ヒメ(清水真実)「花火、トランプ、みんなで泳いで…。あんなこと、二度とないんかなぁ…。何か、懐かしいな」
ダッコ(真野きりな)「あたしらまだ17歳や」
悦子「17も、一度だけか…」
ヒメ「二十歳になったら、みんなどうなっとるんじゃろ」
ダッコ「30になったら、40になったら…」
イモッチ(久積絵夢)「やめてや。10年後でも想像つかんわい」
悦子「このまんまで、おれたらええのに…」
★★★★★★★☆☆☆