『スミス都へ行く』
1939年アメリカ映画 129分
監督:フランク・キャプラ
脚本:シドニー・バックマン
出演:ジェームズ・スチュワート ジーン・アーサー 他
昨日の夜、たまたまテレビをつけたらオバマの就任演説をやっていた。何となくそこに居合わせてしまったという人が一人もいなそうな雰囲気。皆が一つになっている風景というのは、正直なところずいぶん奇異に、そしてクラクラするほど遠くに感じた。
この映画のチョイスはそれとは全く関係なかったのだが、図らずもその感覚とまったく同じ印象を受けた。スミス(ジェームズ・スチュワート)がオバマとダブってしょうがない。もちろん現実の問題はこの映画ほど単純じゃないけれど、まっとうすぎる正義感を持って悪に立ち向かうという構図は70年前から、っていうかアメリカって国ができた当時から、何も変わってないのだろう。
でもその正義感、衒いがなくて眩しすぎて、ちょっと子供っぽくすら見える。実際、スミスさんていうのは「ボーイスカウトのリーダー」という子供の世界の番長で、その正義はすべて「子供たちのため」という言葉で正当化される(そういうのがキャプラスクってことか)。んー、まあ別に文句付ける気もないけど、それでうまくいきますかねと。
そう考えると「チャイナタウン」ってそういう疑念を形にした、この映画とは正反対のベクトルを持つ作品だったんだな。恐ろしく楽観的だったり悲観的だったり、ずいぶん振れ幅が大きいな。そう思うと。
「アグリー・ベティ」のことも思い出した。同じ構図。でも、白人男性スミスが演じてた役割を、ヒスパニック系の女の子ベティが担うようになったところが時代か。
陰謀に巻き込まれ、傷心のスミス。
サンダース(ジーン・アーサー)、気遣って、
サンダース「新聞見たけど、議員さんらしく汚職したって?」
スミス「…君の言うとおりだったよ。帰って、子供の相手してろって。まだアメリカの理想を信じてる青二才だって…。その通りだ」
サンダース「待って」
スミス「ここは僕にはまるで別世界だった。信念が揺らぐよ…」
★★★★★★☆☆☆☆