『インナースペース』
1987年アメリカ映画 121分
監督:ジョー・ダンテ
脚本:チップ・プローザー ジェフリー・ボーム
出演:デニス・クエイド マーティン・ショート メグ・ライアン 他
面白かったー。
でもこういうの、子供の私がリアルタイムで見てたとしたら、絶対に承服しかねる設定。そういうの許せるかどうかの基準って子供のほうが厳しいんじゃないかと思うんですがどうでしょう。
最初の、街中でタック(デニス・クエイド)がリディア(メグ・ライアン)に素っ裸で置いて行かれるシーンからなんかとっ散らかった印象で心配になったが、最後までいい方にとっ散らかったまま驀進。
実験で小さくなったタックがスーパー店員のジャック(マーティン・ショート)の体内に偶然入ってしまっててんやわんやするという話。中の人(タック)は外の人(ジャック)の目を通じて外を見て、中の人の声は外の人にだけ聞こえるということになっているのだが、その設定からして奇抜すぎで笑える。中の人は外の人の体の中から出られないと死んでしまうわけだけど、外の人からすると中の人が死のうが生きようが体内で漂い続けるだけというリスクの小ささも間抜けだ。中の人からの電気刺激で外の人の顔が変わったり、キスすると中の人が相手の体内に取り込まれたり、あと中の人、最後のバトルを外の人の胃で繰り広げるというのも、何かいいですよね。もうなんか、面白い小ネタを書きだすときりがないんだが、とにかく凄いシュールでコントみたい。辻褄も完全無視。だけどこの映画の偉いところは、設定の強烈さに負けず、勢いをちゃんと二時間持続させているところ。作り手が最後まで考えることを放棄してない。破天荒だけど、とても丁寧な映画だと思った。
モンティ・パイソンを思い出す。というより、テリー・ギリアムかな。まあ、ギリアムはちょいちょい放棄してることがあるけどね…。
体の異変を感じて病院にやってきたジャック、
待合室で。
タックの声「君は誰なんだ」
ジャック「!?」
誰に言われたのかと、隣の患者(男)を見る。
ジャック「……」
隣の患者(男)「何だ?」
ジャック「今、何か言いました?」
隣の患者(男)「いいや」
タックの声「そこじゃない。君の中にいるんだ」
ハッとなり、隣の患者(女)を見るジャック。
ジャック「聞こえた!?」
隣の患者(女)「何が?」
ジャック「今の声…」
隣の患者(女)「いいえ。何も聞こえなかったみたいね…(まじまじと)どこか悪いの?」
ジャック「悪くなきゃ病院なんか来るわけないでしょ。何考えてんの?」
タックの声「なあ頼む。聞いてくれよ」
ジャック「やだよ!聞きたくない」
隣の患者(男)「何が」
タックの声「話がしたいんだ」
ジャック「したくない!」
隣の患者(女)「何を」
ジャック「(女に)話を!」
隣の患者(女)「私はいいわよ?」
タックの声「俺は君の中にいるんだ。君の体の中に入ってるんだ」
ジャック「(うろたえて)嘘だ。嘘だ…(立ち上がり)誰か助けて!僕は乗っ取られた!」
★★★★★★☆☆☆☆