『ベルリン・天使の詩』
1987年西ドイツ・フランス映画 127分
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース ペーター・ハントケ
出演:ブルーノ・ガンツ ソルヴェーグ・ドマルタン 他
これまで何度見ても途中で寝てしまっていた映画。仕事で会う人もそう言ってたので、ままあることなのかも。え?これ誰がしゃべってんの?みたいな疑問から始まり、ダスイスダストキンツヴァ、みたいな言葉がどうにも眠りを誘う。
なので、気持ちを引き締め、万全の態勢を整えて、心して見た。
そしたら、良かったんだよな。さすがにこれを好きって言うのは気取りすぎで恥ずかしいけど、名作と言われる理由はよく分かる。ストーリーというよりイメージ。あくまでも監督の映画。こういうのは正直あんまり脚本の勉強にならないんだけど、なぜか釘付けで目が離せないってのはまさに映画の力だなぁと思う。
何となく思い出したのが、元モンティ・パイソンのマイケル・ペイリン(大好き!)がBBCでやってる旅番組と、NHKでやってる、目線の高さで移動してく街歩きの旅番組との違い。どっちも好きなんだけど、全然目の付け所が違う。NHKのやつは落ち着くし、ぼけっと「いいねー行きたいね」と思うんだが、BBCのは落ち着かない。心がざわつく。どんどんどんどん行っちゃう感じ。それがヨーロッパ人の視点なのか何なのかはよく分からないが、街並みとか自然といったものにはほとんど興味無いんだよな。徹底的に人。つまり歴史。この映画のとっつきにくさも、何かそういう関心の違いに由来してるような気がちょっとする。
音楽がいい。ニック・ケイヴは細い。何年か前見たルー・リードの尻が普通の人の片尻分くらいしかなかったことを思い出した。そして、日本人女性の眉毛は太い。
ピーター・フォークは、また天使に戻ってしまったんだろうな。
人間になりたいという天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)、
天使カシエル(オットー・サンダー)と共に、
ベルリンの壁に向かって歩いて行く。
カシエル「本気か?」
ダミエル「ああ。自分の歴史を手にする。天上で眺めながら得た知恵を、これからは地上で生かしていく。間近に見、聞き、嗅ぐことに耐える…」
二人の姿は消える。
ダミエル「外はもう十分だ。不在はもういい。世界の外はもういい。世界の歴史に入っていく、リンゴを掴むのさ。ほら、川面に浮いていた羽根がもう消えた…。見ろよ、ブレーキの跡。ほら、吸殻が転がる…太古の川はとうに干上がり、今日できた水たまりが震えている。世界の背後の世界など御免だ!」
★★★★★★☆☆☆☆