『酔いどれ天使』
1948年日本映画 98分
監督:黒澤明
脚本:植草圭之助 黒澤明
出演:志村喬 三船敏郎 他
闇市を仕切るヤクザ・松永を演じる三船敏郎のカッコよさに尽きる。黒澤の主義主張がかなりダイレクトに織り込まれているところもあるんだけど、三船の魅力はそういう説教臭さを粉砕して余りあるほどの勢い。こういう顔の人って今いないよなぁ。そして、ここまで髪が黒い人もなかなかいない気がします。
口は悪いが良心的な医者・真田(志村喬)が、結核の松永を救おうとするが…という話。キャラクターが明確でストーリーもはっきりしてるし、メタファー(沼とか)や小道具の使い方も的確。さすがで言うことがない。いい台詞もいっぱいあって、またちゃんと見直さないとだ。
やっぱり闇市はマーケットって言うんだなぁとか、仁義の世界ってものはこの時点でかなり無理がきてたんだなぁとか、志村喬の「鼻で笑う」の図はうまいなぁとかいろいろ思ったが、最も度肝を抜かれたのが笠置シヅ子の「ジャングルブギ」!!!!スゲー。これ今で言うと何なの?どういうことなの?
蛇足ながら、DVDの調子が悪く、たびたび止まってしまうのが非常にもどかしかった。
真田、松永を診た後、手伝いの美代(中北千枝子)に、
真田「あの松永って野郎を見てると、どうもあの時分の俺のことが思い出されていけねえ。あいつもかわいそうだよ…」
立ち上がる真田。
真田「(胸を差し)こいつが悪いっても、肺がやられてるだけじゃねえんだ。何て言うか、芯がやられてやがるんだ」
真田、窓の外を見て、
真田「無茶な面して、そっくり返っていやがるが、胸ん中は風が吹き抜けてるみたいに寂しいに違いねえ。絞め殺しきれねえ理性が時々うずくのさ」
美代「……」
真田「まだ凝り固まった悪にゃなっちゃいねえんだから」
★★★★★★★☆☆☆