『黄昏』

1981年アメリカ映画 110分

監督:マーク・ライデル

脚本:アーネスト・トンプソン

出演:キャサリン・ヘプバーン ヘンリー・フォンダ 他


「フォンダさんとこのじいさんがとうとうボケなったげな」


一言で言えば、そういう映画。


地味、とにかく地味。情報量少ない。でも、仕事で頭がいっぱいな時にはこういうのが本当に沁みる。娘のジェーン・フォンダがお父さんにアカデミー賞を取らせてあげようと企画したものだそうで、実際にこの映画、主演男優賞と主演女優賞、脚色賞(舞台の映画化らしい)を受賞している。


ジェーン・フォンダは劇中でも娘役を演じているんだが、「なんでそんなに?」と不思議なくらいぎくしゃくした関係。調べてみると実際にいろいろと父娘の確執があったそうで、だからか、と見終わってから腑に落ちる。


思うに、老人が老人役(しかもボケた)を演じるということは、見た目以上にすごいことなのだろう。大体、元がボケてたらそもそも演じられないわけだし、リアルにやればやるほど本当にボケてんじゃないか、と思われてしまうだろうし。何というか、存在の矛盾の究極形と言いますか、そこにたどり着けることが役者としての最終的な「上がり」なんだろう、たぶん。そしてそこにたどり着いた人はもはや人種を超越する。笠智衆とそっくりだったもん、ヘンリー・フォンダ。


あと、夏の間だけ預かることになった13歳の男の子がおっさんにしか見えないのも地味に気になった。


   森の中で「私たちと同じような中年夫婦」に会ったという

   妻のエセル(キャサリン・ヘプバーン)に、

ノーマン(ヘンリー・フォンダ)「中年とは、人生の真ん中の意味だ。人は150年も生きるわけじゃない」

エセル「あらあ、私たちもまだ中年の端くれよ」

ノーマン「中年どころかお前は老人、俺は人間の化石だ」


★★★★★☆☆☆☆☆