『けんかえれじい』

1966年日本映画 86分

監督:鈴木清順

脚本:新藤兼人

出演:高橋英樹 浅野順子 他


なんだか全然分からないのだけど、すごい映画だった…。

しかし、私の「呆れ」基準で言うと満点を差し上げるほどの勢いでありながら、いかんせん何のことだかさっぱり分からないので、「この映画いいよ、見てみなよ」とは言いづらいのであった…。


そもそも何が分からないかというと、なんでこの主人公達が喧嘩をしているのかが分からない。元も子もない。でもそれが全てを語っているような気もする。この映画、全共闘運動とシンクロして当時の観客に熱狂的に迎え入れられたということらしいが、目的の良く分からない喧嘩に明け暮れていた学生が2・26事件に触発されて東京を目指すというその脈絡のなさ(にしか今の目線では見えないもの)こそ、学生運動の本質だったんだろうかやっぱり、などと考えてしまう。


あと、私の高校にもこういうのいたなぁと思い出す。もう、すごい嫌いでした。


しかしまあ目を見張るほどシュール。最初の歌から最後まで。妙なテンションでぶっちぎり。大体あの、手を使わずにピアノを弾くシーン…高橋英樹を見る目が変わった日。


   会津に転校した麒六(高橋英樹)、絡んできた先輩に

   道の真ん中を歩けと言われ、

麒六「歩けっちゅうなら歩きますけど、犬が来たらどうします?」

先輩「股ぐらくぐって行くべっちゃ」

麒六「馬車が来たらどないします」

先輩「(戸惑いつつ)すれ違ったらよかんべ」

麒六「ほんなら、自動車が来たらどうします」

先輩「(悔しそうに)よけて、掠めて行くべっちゃ!」

麒六「バスが来たらどないします。バスが来たらどないしますねん」

先輩「馬鹿者!バスが来たら、先に隅っこに逃げるだよ。かかったら、こっちがおっ死んじまうべや」

麒六「(バカにしたように)さようか、それが会津魂でっか」

先輩「なんつったれ!?」

麒六「弱いもんには胸を張り、強いもんにはぺこぺこするのが会津魂っちゅうもんかのぉ」

先輩「まいっぺん言ってみろ!」

麒六「道の真ん中を堂々と歩けっちゅうんなら、バスが来ようがタンクが来ようが、そのまま堂々と歩いたらよかんべ」

先輩「こんのやろぉ…!」

   殴り合いを始める二人。


★★★★★★★☆☆☆