『アフター・アワーズ』
1985年アメリカ映画 97分
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ジョセフ・ミニオン
出演:グリフィン・ダン ロザンナ・アークエット 他
少し前に見たばかりなのだけれど、仕事に役立ちそうなので改めて構造をメモしておく。取り立ててこの映画を面白いと思うわけではないんだけど、面白い映画とよくできた映画というのは別だ。
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① 主人公・ポールの日常。大企業のワープロ技師としての退屈で平凡な時間。
② ポール、終業後にカフェで女・マーシーと出会う。いい感じで意気投合。電話番号もらう。
③ ポール、電話してマーシーの家へ。タクシーに乗る。でもめちゃくちゃ飛ばすタクシーで、そのせいで有り金が飛んでいく。嫌な予感。
④ マーシーの家。ゴスっぽい女彫刻家・キキとルームシェアしている。不気味な雰囲気。ポール、話をしているうちに、マーシーも何かちょっとヤバイ人なんじゃないかという気がしてくる(過去のレイプ話とか、元夫の気持ち悪いセックス話とか、火傷の痕とか)。楽しもうとしてただけなのに重くなってきて、もういいよ!と出て行く。
⑤ ポール、雨の中、地下鉄で帰ろうとする。でもお金が無くて乗れない。
⑥ ポール、バーを見つけて雨宿りをさせてもらう。60年代風のウェイトレス・ジュリーに気に入られる。店主・トムに金が無くて帰れないというと、小銭を貸してやると言われる。でもレジのカギを忘れてきたので開かない。ポールがトムの家にカギを取りに行くことになる。最近界隈に泥棒が多く、ポールを信用できないトムは、交換条件としてポールの家のカギを預かっておく。
⑦ ポール、トムの家でレジのカギを見つける。行こうとすると、隣人達に泥棒ではないかと怪しまれる。誤解を解いて外へ出るが、そこで二人組の泥棒を発見。キキの彫刻を盗んでいる。それを取り返し、キキの家へ持って行く。
⑧ キキの家、縛られているキキ。「大丈夫か?」と聞くが、あれは友達のニールとペピだと言うキキ。それより、さっきのポールの態度にマーシーが傷ついている、と言われる。ポールはそれを謝るためマーシーの部屋へ。しかしマーシーは睡眠薬で自殺を図っている。驚いてキキを呼ぼうとするが、置手紙があり、クラブ・ベルリンに行ってるとある。ポールは警察に連絡し、トムのバーへ戻る。
⑨ トムのバー、閉まっている。自分の家のカギは預けたまま。行き場を失うポール。と、そこへウェイトレスのジュリーが来て、家に誘う。
⑩ ジュリーの家。60年代風のイタい部屋。モンキーズで踊ってるジュリー。マーシーの自殺にショックを受けているポールを気遣い、ジュリーはチェルシー・モーニングをかける。とんちんかん。ジュリーの話に適当に相槌を打っていると、泣きながらキレられる。「せっかく雨宿りさせてあげたのに何!?」と言うジュリーをなだめる。そこへ、トムが戻ったのが見える。
⑪ トムにカギを返してもらおうとバーへ行くが、電話にショックを受けているトム。ガールフレンドが自殺したと。彼女の名はマーシー…。何も言い出せず、その場を去るポール。
⑫ ジュリーの家に戻る。ベタベタしてくるジュリーにキレる。「もう帰る!」と言うポールに、ジュリーは「絶対仕返しするわ」。
⑬ 泥棒と間違われ、辺りの住人たちに追いかけられるポール。逃げている時にキキの置手紙を思い出す。
⑭ クラブ・ベルリンへ。でも今日はモヒカンの人しか入れないと言われる。何とか入るがモヒカンにされかける。逃げ出す。
⑮ この街から逃げ出そうとタクシーに乗ろうとするが、来る時の暴走タクシー。乗せてくれない。
⑯ それを見ていたアイスクリーム売りの女・ゲイルがうちで手当てをしてあげる、と。強引なゲイルの手当てを拒否し、行こうとするポール。ゲイルが車で家まで送ってやると言い、一緒に歩き出すが、電柱の貼り紙を見て驚くゲイル、笛を吹く。貼り紙に描かれていたのは、ポールの顔。泥棒を追いかけていた住人達が一斉にやって来る。逃げ込んだ先では殺人の現場を目撃。「神様、この僕が何をしたというんです。ただのワープロ技師ですよ!」
⑰ 通りかかった男娼に助けを求め、家で休ませてもらおうとする。「…帰ったら?」という男娼の素朴な突っ込みに、今までの経緯を説明するポール。その時、外でジュリーがポールの貼り紙を貼っているのを発見。ジュリーの大声で住人達が集まり、再び追いかけられるポール。
⑱ クラブ・ベルリンに逃げ込むポール。年寄り女・ジューンしかいない。仕方なく一緒にダンスするポール。しかしそこへも追っ手が。地下の彫刻部屋に押し込められ、ジューンに粘土で固められるポール。追っ手が去り、出してくれというポールだが、ジューンは「このままのほうが安全よ」と。
⑲ ジューンがいなくなった隙に、泥棒のニール&ペピが来て、ポール彫刻を盗んでいく。ワゴンに積まれるポール。
⑳ 暴走するワゴンの扉開き、ポール彫刻は投げ出される。割れる粘土。中から出てくるボロボロのポール。と、そこはいつもの会社の前。いつの間にか朝になり、始業時刻になっていた。いつものように会社に入り、デスクに座るポール。
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こうして見ると、構造はシンプルで、終わり方なんか最高だと思うんだけど、人物造形によくわからないところが多い。当時のソーホーをリアルに知ってる人ならもっと面白いのか、多分私があんまり面白いと思えないのはその辺が理由。あと、どっちかというとポールの下心よりマーシーやジュリーのイタさの方が感覚として理解できるので、ポールにあんまり共感できない。男の人が見ると、また違った感想になりそうだけど。
★★★★☆☆☆☆☆☆