[映画紹介]


 

飛行機が墜落し、
遭難現場から人里を目指すサバイバルドラマ。
類似作品は多数あるが、
本作は退役軍人と軍用犬の二人連れ、というのが特色。

かつて陸軍特殊部隊にいたジェームズは、
退役後、元軍用偵察犬で義足のオーディンを引き取り、
小型飛行機に乗ってアラスカ奥地を移動し、
自然と一体化した暮らしをしていた。

ある時、飛行中に心臓発作で失神してしまい、
飛行機は墜落、
途中、オーディンは振り落とされた。
湖に着水して意識を取り戻したジェームズは、
オーディンを探し出し、
共に山を下りはじめる。
ジェームズは特殊部隊にいたのだから、
サバイバル術にたけている。
沈没した飛行機に潜ってトランクを引き揚げ、
地図やナイフなど必要道具を揃えるのだから、恐れ入る。


途中、大きなクマに遭遇したり、
丸太で渡された橋から下の川の激流に落ちたりし、
艱難辛苦の果てにたどりついたのは・・・

この結末は予測できなかった。
そういう意味で、味わいのある終わり方だ。

そして、このサバイバルの旅が、
かつて戦場で地獄を共に見、
心と体に傷を負った軍人と犬の癒しの旅だったと分かる。
時々PTSDで蘇る戦場の記憶が、
ジェームズだけのものではなく、
オーディンのものでもあったのだ。

オーディンについて、ジェームズはこう書き残す。
「この犬は戦場で
人間のやさしさと愚かしさの両方を見た」
と。

大自然の中での
退役軍人と軍用犬の言葉を超えた絆が描かれ、胸を打つ。
犬好きな人には、たまらない映画だろう。

ブラッド・ピットは、脚本を初めて読んだ時、
思わず涙を流すほど心を動かされたと吐露。
「ただ静かに泣いたんだ。
本当に、本当に心を動かされた。
ここには取り組む価値があると思った」

直後に、エアー監督へ自ら電話をかけ、本作への参加を決意したという。                                
「ハート・オブ・ビースト」とは、
「魔の領域」と呼ばれる奥地のこと。

登場人物が3人と極端に少ない。
ほとんどがプラッド・ピットとシェパードの二人だけ。
やはり、大スターがこういう役を演ずると、
観客を惹きつける力が違う。
途中小舟で旅する男がJ・K・シモンズだとは、
エンドクレジットを見るまで気付かなかった。
シェパードは4頭が交代で演じたという。

監督はブラッド・ピットと「フューリー」(2014)で
タッグを組んだデビッド・エアー。

日米同時公開で、
アメリカでは初登場3位を獲得。

5段階評価で「4」。

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