[映画紹介]



ロンドンの敏腕弁護士、マイア・マーテンは、
息子ノアを小学校の入り口まで送った後、
日課のジョギングを楽しんでいた。
そこへ、息子の携帯から電話が入る。
出たのは知らない男の声。
ノアを誘拐した、
返してほしければ、命令に従えという。
その命令とは、その日の午後、
犯罪組織のボスの裁判で、
出廷する予定の重要証人を殺せというものだった。
しかも1時間の制限時間内にしなければ、
糖尿病のノアへの投薬を終わらせるというのだ。
低血糖で昏睡状態のノアの映像が送られて来る。
公園から証人の保護されているホテルまでは
8キロメートル。
マイアのスピードなら、1時間かからない。
監視するため、路上を走って行けという。
マイアはホテルに向かって疾走を始める


その間、ボスに雇われた男の指令は
腕につけたスマホにつないだ
イヤホンを通じてなされる。
「走り続けろ」「すべての指示に従え」
「言われたとおり動け」「私以外と誰とも話すな」
「私を退屈させるな」。
立ち止まれば息子の命はないという。
マイアはアンダー16の近代五種競技のチャンピオンだった経歴の持ち主で、
身体能力は抜群。
公園で男性ランナーと競い合って、勝ったりしている。
映画はマイアの後を追い、
様々な困難に遭遇する。
果たしてマイアは時間までに行き着けるのか。
息子ノアの命を救えるのか。
弁護士なのに、証人を殺すことなど本当にできるのか。

というわけで、                                 

息子の命を救うために
誘拐犯の指示に従ってロンドンの町を駆け抜けるマイアの姿を追い続ける。
マイアを演ずるのは、
「ワンダーウーマン」のガル・ガドット


この人、18歳から2年間イスラエル国防軍に所属していた元軍人で、
走る姿が美しい。
全編の8割から9割はガル・ガレットの走る場面
しかも、マイアは途中、次々と不法行為をする。
予備のスマホを水に落としてしまったために、
通行人の持っているスマホを強奪する。
警察の追究逃れで変装するため、
露天商から衣服を盗む。
地下鉄のゲートを飛び抜け、無賃乗車。
地下鉄でスマホを奪われると、
取り返すために、
走って電車を追い、
次の駅で再乗車してスマホを取り返す。
つまり、電車より早い


更に、一般市民に対して銃を向け、
建造物侵入をし、
最後は、船の運行を強制的に変更させる。
息子の命を救うためとはいえ、
後でどうやって始末をつけるのだろう。
ようやくホテルに着いた時は時間ぎりぎり。
部屋に入ったマイアは
重要証人に向けて銃をぶっ放す・・・

最後のどんでん返しは観てのお楽しみ。

監督は「ラストキング・オブ・スコットランド」のケビン・マクドナルド
ロンドンの町をガル・ガドットに走らせたら面白かんべえ、
という企画が通った作品。
1時間24分と、
コンパクトにまとまっているのもいい。

ガドットはほぼスッピンで(そんなことはないか)
ハガネのように鍛えられた、
無駄のない体躯を披露。
ガレットは41歳。
青いランニングトップ、
黒いランニングレギンス、
赤いランニングシューズ、
揺れるポニーテールが絵になる。
次々と難題を乗り越えていく様は、
コスチュームを着ていないワンダーウーマンのおもむき。
本作のためプロのコーチのもとで
約9か月間、猛トレーニングを重ねたという。


昔、「ラン・ローラ・ラン」(1998)というドイツ映画があったが、
さしづめ、「ラン・ガル・ラン」か。

Amazon Prime Videoで9月2日から配信。