というわけで、一人で山口の祖父母の家に行くときは新幹線ということになった空。小学生の頃は私が新幹線のホームまで連れていって座席に座らせていましたが、中1の夏休み、ついに家から一人で行くことになりました。

 実は我が家では、私がペースメーカーを入れているために電車が苦手で、どこに行くにもたいてい車でしたから、中学生になっても空はほとんど、電車体験がありませんでした。いつまでもそれもまずいだろう、ということで徐々に一人で電車に乗らせ始めた頃のことです。

 とはいえ、東京駅から新幹線に乗るというのは、慣れていなければ大人だってまごつくこともあるほど。なので、まずは東京駅の新幹線ホームに一人で行く、という予行演習を前日に行いましたよ(笑) ちょうど、夫と友人が都心にいたので、東京駅で待機してもらって、落ち合った空が、私が書いた説明書を見ながらホームまで行けるかどうか黙ってあとからついていってもらうという予行演習。

 我が家の最寄りの駅は多摩モノレールの○○駅です。東京駅に行くには、モノレールの立川駅で降りてJR立川駅から中央線へ。説明を始めましたが、空、それがすごーくめんどくさかったらしい。めんどくさいとなると、とことん非協力的(っていうか、私が協力しているつもりだったんですが)かつ投げやりになる空。「モノレール立川駅から電車の立川駅に行くでしょ?」と始めたとたん、不機嫌な顔で「何? どういうこと? 立川って幾つあるのよ」(それくらい、歩いたことあるでしょうよ!)

 「そこから中央線に乗る。東京行きは多分3番線だと思うけど、6番線から出る場合もあるからこのへんの(と手振りで示しながら)電光掲示板で確認して」「いや、オレは言われた番号で行くから。何番か今決めてよ」(かーちゃんにそんな力はないよ!)

「で、4両目か5両目に乗る。ホームと電車に何両目って書いてあるから」「何両目に乗ろうと同じなんでしょ?」(同じじゃねーよ! どの階段から降りるかが重要なんだよ! 何でそこだけ自由なんだよ!)

 

 てな具合で疲労困憊しながら送り出した結果、無事、東京駅で父親たちを従えて新幹線乗り場まで歩いてみせたようで、明るい声で得意げに「楽勝だよ」と言って帰ってきました。

 

 いや、でも、これまだ予行演習(笑)本番は翌日。まあ、ここまで念を入れればね、と思っていたのに……。起きてしまったんですね、事件は。

(すみません、まだ続きます)