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毎年６月は、スペシャル・オリンピックの州大会が、地元州立大学の広大なキャンパスを借りて開催される。トップ選手たちは、ニューヨークで開かれる全米大会への出場資格を獲得できるため、コーチたちの真剣さは尋常ではない。参加選手 だけで 2500人以上、 肌を刺す初夏の日差しを避けるテントが立ち並び、ドリンク・スタンドは縁日のような活気だ。
私はスペシャル・オリンピックのコーチ たちが大好きだった。若く、身体を動かすことが得意だから、スリムな体型。カッコイイスポーツジャージにスニーカー。ボランティアで、障がいのある 子供のために長時間働く。
ゆっくりとした丁寧な 英語で、腰を屈めて話す。アメリカ育ちの次男は、
「彼らは、絶対、ママのこともスペシャルニーズ( = 障がい者) だと 思 ってるよ」
と、主張する
。 休憩時間に、彼らが雑誌を投げくれた。
「これでも読んでて」
優しい青年
アウトドア・マガジンが 数冊。「Men' s Health 」という、体づくりや 健康の雑誌。狩猟、ハンティング、銃の雑誌があるじゃないか
。獲物を一撃 で殺す最新式 アーチェリーや、アメリカ軍が使用する数々の機関銃の写真、購入カタログ。さわやかで 性格のいい、うつくしい青年たちが、殺傷力の強大な銃を平気で持ち歩くアメリカ。指の先がどす黒く染まりそうで、雑誌から手を離す。
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