六大学野球は夏の甲子園の裏で春季リーグをやるという異例の強行開催。
よその大学は随分前から練習を始めていている中で国立大学の東大は無碍なことは出来ないし、閉鎖されてる校舎の中にグランドがある事もあって練習を始めたのはつい2週間ほど前から。
ただでもビハインドなのに練習も遅れをとって本当にお気の毒。
春のオープン戦での戦況がまずまずだっただけに、どんな戦いをするのかちょっと楽しみでもありました。
◆vs慶応大学期待の投手・井澤君が先発。
初回の2失点でどうなることかと思いきや、高校時代に多くの実績がある実力者。
5回3失点で抑え、試合が作れて粘れるピッチャーであることを確認した。
試合はまさかの展開で7回に逆転をしてついに最終回!
この時期は夏の甲子園に常駐してるはずの魔物が神宮球場にもいた…。
好投をしていた平山君が先頭打者を四球で出すと、自らバントの処理ミスを連発して満塁。
マウンドでの仕草はまさに魔物に取り憑かれたそれで、押出しを喫してしまい、後は省略…。
というわけで逆転サヨナラ負け〜。
3年も勝ててないチームの、しかも前季優勝の慶応大学相手に千載一遇の大チャンスだもん。
意識するなって方が酷よ…。
あの場面、プロ野球なら采配云々って話も出てくるんだろうけど、ここは六大学野球で、しかも東大。
更に、1週間で5試合を消化する異例のレギュレーションゆえ投手を継ぎ込めない事情もあるだろう。
僕には平山君に代わる投手は知らないし、サヨナラの場面で担ぎ出される投手も気の毒ゆえ「これはこれでアリ」と思ったのでした。
負けはしたものの「今年の東大は戦える!」
これが初戦を見た僕の感想でした。
◆vs法政大学
先発の西山君が味方のエラーによるピンチを切り抜けながら、これまた粘りのピッチングだった。
打線は沈黙するも8回に反撃して3点も返す"猛攻!"も3-6で試合終了。
今季の東大が強いのか、よそが練習不足もあって調子が上がってないのか、いずれにしても…
「今年の東大は戦える!」
というのが僕の更なる印象。
◆今年から就任した井出監督
東大卒のプロ野球選手にして中日ドラゴンズのコーチや球団代表も務めた井出監督の采配の印象は『腹が座ってる』。
印象に残ったのは4回の無死一塁で迎えた四番・岡君の場面。
打席に向かう岡君に(たぶん)「お前のスイングしてこい!」みたいなことを言って以来、全球ノーサインで大きく頷くだけで岡君にお任せ。
結果は三振だったけど井出監督の懐の深さを見た。
一方で初回に立て続けにエラーをした一塁手は(真偽はわからないけど)懲罰交代の如く次回の守備から交代。
バタバタせず落ち着いた采配に、選手の自主性・自立性を求めてるよう僕には見えた。
この夏は、異例のレギュレーションでのリーグなので、気は早いけど秋が楽しみです。