
◆僕の陸上観戦の原点
陸上部とその関係者、来場する観客ももはやオタクみたいな人ばかりで「on your mark!」の合図に、日産スタジアムでは港の汽笛が聞こえてきそうなくらい静まり返る。

毎年国立で行われていた関カレは、国立がなくなって日産スタジアムで行われるようになってからも毎年通ってた。
がしかし、日産スタジアムがラグビーW杯のための改修工事に入ったので、今年は相模原ギオンスタジアムでやるとな。

サッカーW杯によるJリーグの中断期間中に改修工事をやるのはいいけど、一週間くらい待ってあげたらいいのに…と内心文句を言いつつも、最寄り駅の無い陸の孤島の相模原ギオンスタジアムまで迷うことなく足を運ぶとなると、やはり陸上オタクを自覚せねばならない。

◆色々ある中での日大・関東インカレ7連覇
関カレはいわばめっちゃ速い大学生による大学対抗の運動会。
種目毎に得点を積み上げて総合優勝を争うんだけど、2位に大きく差をつけて日大が総合7連覇を果たした。
色々と火中の日大陸上部は例の一件とは関係ないとはいえ、フィールドで派手に喜ぶ様子もないし、スタジアム内を移動する陸上部員も何だか伏し目がちで気の毒になるほど。

そんな中、競技では例年以上に頑張ってここ数年では見たこと無いくらいの得点を獲得しての優勝。
これには率直に称賛と敬意を送りたい。
陸上の花形競技でラストを飾るマイルリレー(4×400mリレー)は壮絶なレースを繰り広げ、最後は0.04秒差で日大チームが有終の美を飾った。
日大がマイルで勝つのってずいぶん久々に見た気がするけど、こんな時だからこそ彼らの勝ちたい気持ちが伝わったし、勇気を貰えるようなレースで、今心傷めてる日大の学生全員に見て欲しいくらいだった。
日大陸上部の皆さんが『今自分達に出来ること…』を体現してるようで、スポーツの持つ力を目の当たりにして何だかウルッときてしまった。
はぁ~、陸上っていいな~。
スポーツっていいな~。

◆日大が箱根駅伝出場を決める
何やら関カレの成績により日大が来年の箱根駅伝の出場資格を得たそうな。

箱根についてはここ数年低迷していて、去年も予選会で箱根を逃した日大にあってはありがたいであろうことだけど、予選会無しで出場が決まるこの規定には否定的な意見もあるにはある。
されど日大の関係者でもOBでもなく、一陸上ファンとして声を大にして言いたいのは…、
(今や大学の宣伝効果が絶大であるために箱根駅伝だけに注力する(もはや駅伝専用の陸上部を持つ)大学が多い中で)多岐に渡る種目の競技者や、将来的には指導者を育てんとする日大陸上部の姿勢は本当に素晴らしい…と常日ごろから思っている。
長距離選手のスカウティング合戦は、箱根駅伝を純粋に楽しんでる人の想像を遥かに超える「色んな物」が動いているらしく、驚愕を通り越して落胆すら覚える実情もあるそうな。
こうして広く陸上界に貢献している日大や筑波大等が、長距離だけに注力できずに箱根駅伝出場を逃すところを見ていて気の毒な感覚も感じていたので今回については良い制度だと個人的には思っている。

さりとて、出たはいいけど繰り上げスタート連発では面子が保たれまい。
今さら新たな選手を補強することはできないので、この夏は必死の練習をして面目躍如を願ってたりするのでした。