ここでは基本的に時事ネタに食いついて意見を記すのは避けていますが、今回の朝日新聞の記事に関しては聞き捨てならないので書き残しておきます。
◆読売球団の規定を超える契約金
事実であるなら由々しき出来事です。
この時期に(恐らく)リークされ、記事にされる背景や、裏事情…、知りたいけどそんなもんどっちでもいいです。
一野球ファンとして、プロ野球の将来を考えて是か否かです。
否に決まってます。
◆そもそも
難問を抱えた会議で“そもそも論”を言い出して会議を紛糾させて煮詰まらせるオヤジがいますが、あえて“そもそも論”を言いましょう。
『そもそもなぜそんな規定ができたのか?』
今どきの中学生だって答えは想像できますよ。
自ら作った“画に書いた餅”を水面下、裏工作により、なし崩しにして結局は有力とされる選手の奪い合いをやっていたわけです。
◆マスメディアに翻弄させられた野球ファン
一場選手の事件があって、関係球団の代表やらオーナーは辞職してプロ野球はクリーンを目指したのではなかったのか。
あの辺からですよね、球場来場者も視聴率も下がってきたのは。
彼らはマスメディアを利用して、利用されたマスメディアは(たぶん)どこもかしこも一選手をやり玉にあげ球団批判・球界批判を程々にし、首脳陣の首切りでうまく交わしてきたツケがここにきただけです。
そう、実態は何も変わっていなかったわけです。
球団、マスメディアに騙された残った野球ファンはクリーンになったものだと思って薄々は感じていてもまた野球を見ていたのです。ちゃんちらおかしい。
今から思うと一場選手が気の毒にすら思えます。
◆球界のドンの意のまま
自ら辞職した渡邊某(なにがし)はそのあと球団職に飄々と復帰し、性懲りもなく強烈な発言で「俺の意見」を発信し続けて球界をさも取り仕切ってる様はなんなんでしょう。
彼の著書はほんの数冊しか読んでませんが、政治家との信頼関係、揺るぎもない裏の取れた記事、政治家をも動かす説得力ある建設的な文面…。
素晴らしい政治記者です、尊敬に値します、『政治記者としては』。
しかしプロ野球球団代表者としては誰が見ても解るように失格者でしょう。
職に適してないから烙印を押され辞めたのではなかったのか。
彼が水面下工作、根回しを得意とし、球界のドンを欲しいままにして取り仕切ってきた。
何かに似てますよね?
そう、昭和の旧態依然とした政治手法そのものです。
角福戦争を思い出します。
彼が諸悪の根元とは言わないけど、スポーツである野球が古い政治手法によって水面下で何年・何十年と運営されてきて、そのツケがここ数年の球団再編騒ぎに至ってるわけでしょう。
有力な選手を金の力で引き抜き、奪い合う構図は今も昔もなにも変わっていない。
それがゆえに選手年俸は高騰し、強弱のバランスは崩れ、弱者は淘汰されようとしている。
球界再編騒ぎの根元はくだらん政治手法による運営と傲慢な球団によって引き起こされた茶番劇なのでしょう。
彼が今後も球界に必要という理論は“これからも旧態依然の昭和政治みたいな運営をプロ野球界で続ける…”という後ろ向きな理屈でなら理解できます。
◆球界を再生させるチャンスはあった
まさに一場事件の時に12球団が全てをさらけ出して、根本的なルール作りをし直すことを怠った。いや、そこから逃げたのでしょう。
個々のオヤジが自らの保身のために。
あの時に将棋盤を一回ひっくり返して駒を並べるとこからやり直していれば、金に困って手放そうとする会社なんてなかったかもしれません。
それでも彼は言う。
1リーグにして10球団くらいがちょうどいい…と。
◆恐らく最後のチャンス
いや、もしかしたらもう手遅れかもしれません。
私はスワローズファンですが、スワローズにも何かしらの工作が全く無かったとは思いませんし、もしあったなら糾弾されるべきだし、球団の過去の膿は出しきって欲しいと考えています。
むしろ歓迎です。
金銭的には弱者の部類ですから根本から仕組み・ルールを作り直すならば、逆に言うとチームも金銭的にも強くなるまたとないラストチャンスかもしれません。
例えば…
・NFLのサラリーキャップ制度か、MLBの課徴金制度を儲けて一定額を超えたら機構に納めて全チームに分配
・放映権は機構で契約して放映権料は全チームに分配
・ドラフトは完全ウェーバー方式、等々。
あまり理解していませんが、MLBじゃなくてたぶんNFLの仕組みが一番美しいのではないかと思っています。
例えばですがこれくらいの改革、球界の生死を考えたら、やってやれないわけではないでしょうに。
メジャーに行きたい奴は行かせればいい。
その代わりおいそれと復帰しにくい仕組みにすればいい。
野茂さんが意を決して海を渡った時のように。
読売球団のみなさん『今回の件は法的には問題ない』なんて予算委員会の答弁みたいなこと言ってないで、モラルやコーポ・ガバナンスを乱してしまってるのは事実でしょう。
記事に出てないからってよその球団も一緒ですよ。
球団はファンからも選手からも魅力ある球団になるように努力しましょうよ。
まあ、たぶん何もなかった様になって改革はおろか選手年俸はそのまま…。
金のない球団から一抜けた、ニ抜けた…と始まり、消去法で球団再編とやらが数年後に迫るのをファンは心配しつつもチームをひたすら応援するしかない…。
やめてください、自分達の無策、保身、自浄能力の欠如をファンになすりつけるのは。
この一件の広まりにはとても興味があります。
野球にまつわるマスメディアの皆さん、何のためにその職を志したのか思い出しましょうよ。
官僚じゃないんだからさ~、長いものに巻かれちゃった?
野球界を変えられる、動かす力があなた方の持っているそのペンにあるのですよ!
選手にインタビューなんて的外れなことしてないで、今度は正しい方向に導いて下さいよ。
プロ野球は政治じゃなくてスポーツなんですよ。