実は年を重ねる毎にワクワクしたはずの年の瀬という季節感に鈍感になってきている。
忘年会も半分を消化し、
『今年一年は…』とか『来年は…』
なんてセリフは朝の天気予報のお姉さんの『いってらっしゃい…』と同じくらい実感も感慨もなく通りすぎていた。
仕事の手帳には既に来年の予定も入り始めているし、流行語大賞、羽子板の今年の顔、今年の漢字だのと一年を思い起こさすイベントすらにも新鮮味を感じなくなっているのだ。
ところが、今日の夕方に電車に乗っていたら、ある会話に急に年の瀬を感じ焦燥感を感じた。
仲良さそうに話していた品の良さそうなおば様二人の内の一人がある駅で降りるときに
『それでは、よいお年を~』
と深々とお辞儀をした。
ちょっ、早いんちゃう?
なんか焦るやんっ
もういっぺんくらい会おうなぁ~
急に年末がやって来た、師走の夕方の出来事だったのである。