ジギングしようって言~っても
エギングしようって言~っても
いつも答えはお・な・じ
・・・・・・・・
…あたしゃあ投げしかやらんよ…
ジュンの釣りはブレない。
アオリが釣れていようと、
青物が回ってこようと、
カタクナニ投げ釣りしかやらない。
「投げ」って言っても、
2.7mの振出竿に、
2000番の小型スピニングリール、
8号のジェット天秤に
「大キス」9号の2本バリ。
もう、「チョイ投げ」の鏡
のようなスタイル。
ただ、このチョイ投げ
素人の釣りとバカにしてはいけない。
ジュンはこのスタイルで
時に50センチのマダイを釣ったり
巨大なタコをかけたりと
何度もミラクルを起こし、
上関の25センチ級のキスが連チャン
大島では肝パンカワハギがたまる場所など
我が家の定番とされる一級ポイントを
いくつも見つけてきた。
しかも、偶然ではなく狙って。
恐るべし「チョイ投げ」なのである。
今日は昼過ぎに呉で用事終了。
どうする?帰る?
いやいやいやいや、
こっち方面来るの久しぶりでしょ?
行くだろ?
行くよな!
潮を見たら…ド干潮かい。
じゃあ、あそこだな。
10年前くらいに昔よく行ってた小さい港。
うわっ、懐かしい~!
ここは港の横に砂浜に混じった岩場がある。
潮が引くと、ここで良型のキスが釣れる。
チョイ投げで。
いつもの道具でバケツを持ちやる気なさそ~に向かうジュン。
俺はさらに岩場を「ランボー」しながらずっと奥までいき、
アオリと…
まぁ、一応…
念のため…
万が一…
もしかしたら…
ミラクルを期待して…
ジギングの準備。
…学習能力ナッシング。
で、
案の定コウイカ1敗…
違う、いや違くないかも…
…1杯。
しかも、上げるときに岩にぶつけちゃって、スミ吐きながら
スプリンクラーのようにクルクル回ってズボンにかかった…。
暗くなってきてジュンの所に戻り、
釣れた?とバケツを見ると、
グチとキス!
「うおっ、すげぇ!」
「さっきまではこの岩と岩の間から正面に投げるとグチが釣れるよ」
「マ、マジで?おれもやろうかな…」
「グチはもう止まった。今はあの堤防の先からちょっと左の方向に投げてキス釣ってる」
エギからジェット天秤に変えて投げると、
「投げ過ぎると根がかるよ。もっと手前」
しばらくすると、
ゴッゴッゴッゴッゴッゴッン!
ナイスサイズのキス!
ほ、本当だ…
恐るべし「チョイ投げ」
「スゲェね、ジュン」
…あたしゃあ投げしかやらんもん…
ブレてな~い