「ドアを開けたら、そこはゲレンデ!」
90年代かな?スキーブームの時。
斑尾や栂池あたりのペンションのコピーにあったようななかったような。
ドアを開けたら、目の前は真っ白なパウダースノー。
あー・・・懐かしいな、雪の匂い。
ここどこだっけ?八方?志賀?・・・まさか、ソチ?
って、あれ?
俺、会社行くんじゃなかったっけ?
そう、ここは広島。
ドアを開けたら板はいて滑りだしたくなりそうな銀世界!
おいおいおいおい、どんなドッキリカメラだよ・・・。
ところがウチのサプライズはこんなもんじゃない。
あっけに取られてる横を、釣竿持って出かけていくヤツ、約一名。
昨日「運」だけで受験戦争を終わらせたカイ。
必死に勉強してると思いきや、
「釣りに行くことだけを考えて勉強しとるけ」
違うだろ!
勉強してる時に釣りのこと考えてどうすんだよ!
勉強してる時は勉強のこと考えろよ!
もはや釣りのことしか頭にないカイが、この大雪の中暗いうちから出かけて行った。
アホか!
と言いたいところだけど、やってたよね、昔俺らも。
どうやら友達と電車バス乗り継いで野池に行ったらしい。
帰ってきたのは夜の8時。
昼には雪もやんだらしいけど、釣れなかったようだ。
それどころか電車が遅れて、着くまで4時間。
雪の中をひたすら歩き、投げ・・・行くことが楽しいんだよね。
疲れきって、夕飯食べて、フロ入って、寝よ・・・
おいおいおいおい、まさか寝るつもりじゃないだろうな。
釣りを我慢してたのはカイだけじゃないんだよ!
行くだろ?行くよな!
これから大島!
そう、初釣り。
いつも初釣りは3人で「千福」のワンカップを海にまき、一年間の安全と豊漁を祈願する。
ところがジュンは会社の研修で11日まで東京。
祈願する前に、初獲物をフライングゲット!
と、無理やりカイをハイエースに押し込みブッ飛ばすけど・・・強風。
あがってくるのはチビメバル。
そうだよね、こうなるよね。
まぁいいさ、ウォーミングアップはもう済んだ。
高校入ったら寮生活と部活漬けだからな。
これから1ヶ月半は遊びまくるぜ。
週末は寝る暇ないと思っとけよ。
俺も寝ないで滑ってた90年代に戻るからさ。