中学生面白れぇわ・・・。
中3にもなると、学校であった話なんて親にはそんなにしなくなる。
彼らは彼らのワールドがあり、
親はそこからたまに漏れてくるハプニングやトラブルの話を聞くだけ。
それを聞いて、彼らの世界を想像する。
自分達もこんなだったような・・・
こんなじゃなかったような・・・
斬新なようでどこか懐かしい学校での出来事。
小学生まではまだ親と近いが、高校に行くと完全に大人。
中学は自分達の世界を自分達で作っていく。
そんな不安定な中で起きるちょっとした事件に、思わず笑っちゃう。
カイの担任から電話があった。
「カイ君、志望校決めた見たいですよ」
家では聞いてもナマ返事しかしなかったくせに。
ずっと迷っていた。
受験するか、陸上の推薦受けるか。
もちろん推薦受けれるんならそっちの方が良いに決まってるけど・・・
「寮」になる。
せっかく帰ってきた広島。
せっかく住める新しい家。
それなのに半年で出ていかなきゃならない苦悩。
数回話はしたけど、あえて俺からああしろこうしろとは言わなかった。
普段あまり真剣さを表に出さないせいで本気度がわからなかったし。
でも、どうやら決めたようだ。
住み慣れたこの辺の土地も、新しい家も離れ
本気で陸上やるって。
親に相談も報告もしないってのが、ヤツらしい。
そっか・・・俺も遊び相手が一人減るな・・・。
夜、ちょっとだけその話をした。
「カイ、決めたんだって?」
「ああ」
「やっぱり陸上やりたいんか?」
「推薦で早く決まるんならカレイ釣りに行けるじゃん」
「・・・・・・・・・・・」
高校でコテンパにされてしまえぃ!!
大丈夫なんか?こんなんで?
面白いわ、中学生。