中三の頃ってどんなだったっけ?
修学旅行の夜に好きな子言いあってはしゃいでたよ。
かわいいもんさ・・・今に比べりゃあネ。
カイの部活で色んな学校が集まる合同練習があって、近くの運動公園まで迎えに行った時のこと。
なんだか小雨がパラつく、6月の昼過ぎ。
生徒たちは駐車場近くの屋根の下に集まって迎えを待つ中で、カイは一人でスマホいじりながら立っていた。
例の「人生が変わる」赤いスマホ。
少し後ろで3人の女の子が座ってて、そのうちの一人がカイに話しかけた。
ムムムムムム?
ただ、少し会話をした後すぐに友達のところに戻って行った。
そこでカイは俺らに気付いて車に乗り込んできたから、
「あの子、友達?」
「いや、知らない」
「おなじ学校じゃねぇの?」
「いや、違う」
「んじゃあ、なんて話しかけられたんだよ?」
「メアド教えてくださいって」
「な、なんだと?」
ちょっと待てよ、なんだよそりゃあ。
「知らんけど、○○(部長の名前)のフェイスブック友達なんだって」
「それで、おしえたのか?」
「いや、○○に聞いてって言っといた」
おいおいおいおいおい・・・
なんか、ムショーに腹が立ってきたぞ。
なんでだ?
なんだこの差は。
修学旅行で、
「ホントは誰が好きなんだよ!」
「オメーから言えよ!」
ってはしゃいでた自分がやけに子供っぽく思えちまうじゃねぇか。
「メアド教えてください」
「○○に聞いて」
まるっきり大人の会話じゃねぇか!
親父にもぶたれたことないアムロと
ハモンはべらせて余裕のラル
くらい差があるぜ。
まぁ、いいさ。
大人だろうと子供だろうと、
スマホだろうと公衆電話だろうと、
「メアド教えて」だろうと「好きな子言えよ!」だろうと、
恋愛の楽しさと苦しさは同じだろ。
これからが本番だぜ。
今のうち山ほど失敗しておきな。
ま、俺なら喜んでメアドおしえたけどな。