スペインの鉄道雑誌 Maquetren 通巻251号
アンダルシアの鉄道事始めに関する記事の拾い読み。
執筆者はASAF鉄道友の会の幹部で知り合いのマヌエル・ガラン・エルステ氏。
「セビーリャ~カディス間の鉄道 Ⅰ」
1803年 カタルーニャ地方 レウス~サロウ間 技師の発案で鉄製の軌道計画
1828年 バレンシア、エルグラオ港の鉄道計画 どちらも実現せず
1829年 国王フェルナンド7世 ヘレス~ポルタル間 5,852mの鉄道計画
ヘレスの酒樽の輸送目的 それまでは牛車で運搬
プエルト・サンタマリア港で降ろしてイギリス船で積み出す
当時のスペイン輸出ワインの90%は英国向け
1830年 王妃マリア・クリスチーナ鉄道の名で計画が具体化
マドリッドにて模型蒸気機関車によるプレゼンテーション
ヘレス~プエルト・デ・サンタマリア~ロタ~サンルーカル・デ・バラメダ
6mile 30分 7mile 40分 10mile 50分
国王の死去、政情不安定、財政困難により延期
1845年 カディス~セビーリャ~コルドバ間 フランス企業による鉄道プロジェクト
1852年 民間企業設立 ヘレスの企業家たちの投資
ヘレス~プエルト・サンタマリア~トロカデロ間 27km
1853年 イギリスより蒸気機関車4両 貨客車34両購入
SL愛称 ヘレサーナ プエルテーニャ トロカデロ ガジターナ(各地名の女性形)
1854年 ヘレス~エル・ポルタル間にて試運転 16客車+5貨車
アンダルシア最初の鉄道、客船&貨物船との接続が実現
1856年10月10日 正式開業
鉄道草創期の歴史にも若干の関心を寄せています。スペインの鉄道計画は開業年よりもかなり遡ることを、この記事で知りました。
鉄道はイギリスを皮切りに、アメリカ、ドイツ、フランスと欧米諸国で次々と敷設されていきますが、スペインは少し遅れて1850年代のイサベル2世統治下で急速に進展します。
日本の歴史では、ペリーが浦賀に来航した頃から幕末の激動期に向かっていく頃にあたります。