セビーリャのマカレーナ地区からグアダルキビール川沿いの道路を北に向かうと
廃墟になった機関庫が残っています。
先日一緒に仕事をしたドライバーから教えてもらったので、後日、現場に行ってみました。
廃線跡を舗装した道路を辿っていくと 広い空地の向こうに見えてきました
巨大な機関庫の南側と北側 それぞれのアングルから

出入口はレンガで塞がれていますが、一か所だけ壊されて開いていたので、中を探検
どうやら浮浪者の住処となっている様子 昼間はお出かけちう
内部の線路はすべて撤去されてゴミ捨て場状態
見上げると、まるで廃墟になった荘厳な教会の身廊のよう
ひょっとすると、この先にサン・ヘロニモ駅の遺構が残っているかも・・と思い
さらに自転車に乗って進んでいきました。
新興住宅地となってアパート群が立っているばかりで、それらしい場所はありません。
たまたま犬を連れて散歩していた老夫婦に尋ねると、
「この横の通りを行って角を曲がると、昔の駅の建物跡ある。売店なども残っているよ」
というので、喜び勇んで、その方向を目指すも、皆目見当がつきません。
近くの商店で聞くと、全く逆の答えが返ってきました。
「この町は通過地点で駅はなかったんだよ。線路は全部外されて舗装道路になって
機関庫だけ残っているけど、ああ、もう見てきたのかい」
スペインではよくあるパターンです。好意的に解釈すれば、
束の間でも相手を喜ばせようという気持ちから、ファンタジーを語るのでしょうか。
ちなみに、この付近にはサン・フェルナンド市営墓地があり、有名人の墓も多数あります。
19世紀の詩人ベッケルが書いた幻想短編の一つ「旅籠屋ねこ」の舞台ともなっています。
この日は勇壮な機関庫を見ることができただけでも収穫でした。