ディスカバージャパン | スペイン鉄道暮らし

スペイン鉄道暮らし

 メルクリンZゲージを中心に N&HOゲージの車輌コレクション 
 これまで訪れた国の鉄道に関するスナップ写真や記事を掲載しています

「Discover Japan  美しい日本と私」


1970年大阪万博に際して量産された車輌の有効利用を図って展開した国鉄の個人旅行促進キャンペーン。
現在に受け継がれている日本の鉄道ブームの先駆と言えます。企画は大手広告代理店が采配を振るい、仕掛人は電通の辣腕プロデューサーで、大成功を収めました。

テレビ番組では永六輔の「どこかに行きたい」が同時進行で放映されて、若い女性をターゲットにした旅行とファッションをテーマとした雑誌の刊行が相次ぎ、「アンノン族」が出現します。そして、ご当地宣伝のポスターが盛んに制作されてあちこちに貼られました。

国鉄駅の一角にはスタンプが置かれて、「旅のスタンプノート」が売られていました。訪問した駅で記念の押印をするのです。すべての駅にあるわけではなく、目安としては急行列車の停車駅というのが、大体の基準であったように思われます。
ルイスのZな部屋&海外鉄道紀行
当時使っていたスタンプノート2


5年間のうちに、1冊目48個 2冊目57個 計105個のスタンプが押されています。

日付は1971年(昭和46年)814日から開始、1976年(昭和51年)47日の北海道旅行で終了。それはキャンペーンの終焉の時期とほぼ一致します。高校入学と同時に鉄道熱は冷めて、山岳部に所属したので、数年間は山登りに熱中することになりました。

少年時代にカメラを持って駆け回っていた自分は、まさしくキャンペーンの掌の上に乗っていたわけで、思い起こせば、これが第一次鉄道ブームにあたり、SL廃止前の人気と連携していたのですね。


1978113日 「いい日旅立ち」キャンペーンの開始、テーマソングがヒット。

「いい日旅立ち」  山口百恵  作詞・作曲 谷村新司 

 https://www.youtube.com/watch?v=q316TAdFHGM


タイトルからして、おめでたい歌のように受け止められそうですが歌詞を読むと、実は別れの歌。なぜか歌の世界では、傷心のひとは北へ向います。そして旅先での新しい出会いをちょっぴり期待しているシチュエーション。今どきの日本の歌謡曲にはない、こよなく美しいメロディの歌です。


前後したキャンペーンとしては、
 1977年 「一枚のキップから」 これは不発に終わる
 1980年 「いい旅チャレンジ20000km」 国鉄全線の完乗をめざす
 1984年 「エキゾチック・ジャパン」 郷ひろみの「24千万の瞳」 がキャンペーンソング

1980年代になると、国鉄の累積赤字の精算のために全国の赤字路線が次々と廃止されて、その後は分割民営化の道を歩んでいきました。現在進行している鉄道ブームも、おそらくマスコミを動員した一大キャンペーンの延長上にあるのでしょう。